つらら割り

つららで携帯料金が安くなるという話では無い。

北海道の住宅で屋根の雪というのは悩みの種。勾配屋根では下に雪が落ちるので屋根は良いが、下の除雪が大変。隣家との間に5m くらいの余裕が無いと苦情来まくりとなるし、無落雪屋根と呼ばれるフラットな屋根は、よほどしっかりした施工業者のものでなければ、シーズン中1回から数回の雪下ろしが必要となる。この雪下ろしは危険なばかりか、半端でない重労働で、何しろ屋根に積もっているずっしりと重い雪をどこまで屋根なんだかわからない高いところから人力で下に落とさなければならない。落とす方も大変だが落とす場所も大変。おまけに、落としたらそれでおしまいではなく、落とした雪を今度は雪捨て場へ運ぶとか融かすかしなければならない。なんてことを毎年みんなやっている。

我が家は、高所でそんな恐ろしい作業をしたくなかったのと、その他の理由もあり、勾配屋根にしたが、隣家との間が十分でなく、わずかに雪が入り込んでしまうことがあり、毎年苦情を頂いていた。それに屋根から落ちた雪を片付けるのも大変。大雪の時などは、そもそも降った雪がすごいところに、更に屋根半分の雪がそこに積み重なるので、その片付けのしんどいこと。放置すれば、隣家との間の1m足らずの塀など軽く超えて雪崩れ込むので、それこそ大変な自体になりかねず、雪が降ったらとにかく必死で除雪。庭や駐車場の除雪など後回しで、隣家との間の、その屋根の雪が落ちるところが最優先。

という辛い屋根の雪との戦いに数年前、勾配屋根用の無落雪屋根というのに葺き替えて終止符が打たれた。庭側はそのままで、隣家側のみ変えたので、その違いがとても良くわかるのだが、見た目はほとんど同じなのに、葺き替えた方は、まったく雪が落ちない。では、どんどん溜まっていくかというと、これが、風で適度に飛んで行ってくれる。(飛んで行く先については考えない) 実は無落雪屋根というのは、ほとんどがこの風で飛ばすということを前提にしているので、無落雪だから隣家に迷惑をかけていないという事ではなく、そしらぬ顔をして隣家や道路に雪を押し付けているだけだったりする。そうしてタライ回しにされた雪が、勾配屋根の家にたどり着くと、そこでどーんと地面に落ちて、その家が全責任を取らされるのだ。とにかく、地面に雪を落とした家が負けというおっそろしいゲームが毎年繰り広げられているとも言えるのだが、ついに我が家もパス側に加わったというわけだ。ただし、いつも雪を押し付けられる風上側の半分だけである。

とにかく、雪が落ちなくなったおかげで、隣家から怒鳴り込まれる事も無くなり、それにびくびくする事もなくなり、下に落ちた雪を必死で除雪する事も無くなったので、大正解である。

が、一つ問題なのは、冬と言えども毎日ものすごく寒いわけではなく、気温がプラスになる日もあり、屋根に載っている雪がちょっと解けたりするわけで、当然そういうのがつららになるので、雪が落ちていた時にはまったく出来なかったつららが、毎年できるようになった。小さいのは気にならないが、中には1mを超す長さで、腕くらいの太さのものとかがあり、あれが頭上に落ちたら、間違いなく病院送り的な感じになるので、新しい恐怖が生まれた。

で、本題であるが、そのつららを割るのに、とある棒を使っていたのだが、それが壊れてしまって、つららおとしとか雪割りみたいなものをAmazon で買おうかなぁと思ったのを踏みとどまって、壊れた棒の先に、木槌を縛り付けてつららの根本をどんどんと叩くようにしたら、これが思いの外うまくいったという話を書こうと思ったのだが、たどり着く前に長くなってしまったので、この話はいずれ書くことにしようっと。

カテゴリー: 雪と戦う パーマリンク