燃焼ガスは、プロパン(-42.09℃)・イソブタン(-11.7℃)・(ノーマル)ブタン(-0.5℃)の順で、沸点が高くなる。プロパンなら 気温 -20℃でも気化するけど、ブタンは液体のままだから燃焼しないということになる。しかし、冬山登山とか冬季キャンプでもなければ、ブタンで十分だとも言えます。
よく使われているガス缶は、大きくOD缶とCB缶にわかれますが、CB缶はほとんどがブタンで、OD缶もノーマルはブタンが多く、寒冷地仕様の高いものになると、イソブタンやプロパンが混ざります。ブタン100%、イソブタン100%のものは存在するようですが、OD缶でプロパン100%というのは無いようです。
というわけで、寒冷地でのキャンプをしない私は、最近はCB缶に統一しようとしています。CB缶の方が使える器具が多いですし、なにより自宅で普段使っているカセットコンロと共通というのが良いです。
OD缶は、ちょっと残りという問題があって、旅行に1個持って行くとした場合に、ちょっと残ったものは持っていきたくないので、結局新しいのを持っていくということを繰り返す結果、ちょっとだけ残ったOD缶が家に沢山たまってしまうことになります。家でOD缶を使う機会はほとんどないので、残ったままになり、非常に不経済です。OD缶の詰め替えをしていることをしている人もいますが、100%ブタンのOD缶であれば良いですが、イソブタンやプロパンが混ざっている場合は、わけわからなくなります。混ざっているといっても全部が均一に混ざっているわけではなく、例えば寒冷地で使うと、最初にプロパンが出てきて、次にイソブタン、ブタンの順に気化しますから、残っているのはブタンのみという可能性が高いです。ここに、新品のOD缶から詰めるのは、かなりもったいない感じがしますし、詰めた状態がどんな状態になるかは知るよしもありません。結局、それでは寒冷地での使用を前提にOD缶を選ぶ意味がありませんから、CB缶のほうが良いということになります。
詰め替えをしなくても、イソブタン80%、プロパン20% のOD缶を買ったとして、それを寒冷地で使う場合、-15℃とかだと、プロパン20%が気化した時点で、イソブタンは気化しませんから、火が消えるような気がします。つまり寒冷地仕様のはずなのに、最初の20%しか使えないということになりかねません。最初に火がついたら、その熱を缶に伝えてあたためれば良いとも思いますが、それができるのは、プロパンが残っている間だけですから、一度に使い切る事でもなければ、あまり意味が無いような気もします。
というわけで、迷っている人は、普通の使い方であれば、CB缶を選択しておけば間違いないと思います。どうしても使いたい器具がOD缶対応であれば仕方ありませんが、OD缶の方がアウトドアっぽいからとか格好良いといった理由でOD缶を選択すると、後悔するかもしれませんね。
詰め替えや、OD缶<=>CB缶 切り替えアタッチメントは、極力やらない方が無難です。詰め替えは前述のように、ブタン100%のものでないと意味がありませんし、ブタン100%で良いならCB缶で十分だし、詰替えは正式な行為ではないうえに、缶の耐久性の問題や、何らかの事故につながる可能性もあります。切り替えアタッチメントも同様の理由で危険をともないます。OD=>CBは、器具が耐えられるのか?という問題もありそうですし、CB=>ODは、缶の向きについて気にかける必要があります。CB缶は、垂直もしくは、切り欠きが上になるように使う必要がありますし、OD缶は横倒しでは使えません。
詰め替えはやめたほうが良いと言っておきながら、CB缶の詰め替えタンクを買いました。こちらは詰め替え前提に設計されているので、繰り返し使えます。これを買ったのは、ST-320にCB缶を接続すると、めちゃくちゃ長くなってしまい、取り回しが悪いためです。CB缶のジュニ缶というのが売っていますが、あれもまだ長いですし、入手が難しく、コストも割高です。ジュニア缶は使い捨て缶ですから、こちらの詰替え前提のものとはクオリティがまったく違って詰め替えは身の危険を感じます。決して安くはないものですが、長い目で見ればもとはとれそうだと思いますし、何より、重さといい、加工精度といい、持っているだけでちょっとうれしくなるようなものになっています。キャップが付属しないのがNGポイントですが、こんなのがありますし、コストを考えるなら、普段使って、空いたCB缶のプラスチックの蓋とかでも十分です。
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