必ず言われる事だけど、その意味を勘違いしている人が居るようだ。私のような昭和世代は、貯金が当たり前で、投資と聞くとギャンブル性の高い金儲けというようなイメージを持っていたりする。貯金は減らないけど、投資は元本割れのリスクがある。もしかしたら、資産をすべて失ってしまうかもしれないという怖さがあるところから、その勘違いが生まれるのだと思う。
投資にもいろいろあるが、新NISAをきっかけとして、今、投資家ではない個人に推奨されている投資は、長期・分散・積み立てのインデックス投資であって、個別株とか、ボラティリティの高いアクティブ投資信託や、ましてや、信用取引とか、PUT/CALL といったものではない。長期・分散・積み立てのインデックス投資の特徴は、その実績と将来の見通しにおいて、上がったり、下がったりしながらも、長い目で見れば徐々に増えていくというところにある。
「余裕資金」の意味は、「失っても生活に困らないお金」ではなくて、「一時的に株の価値が下がったとしても、慌てて売らずに持ち続けられるお金」とか、あるいは、「株価が下がっている時に、どうしても必要があって売らなければならないお金」ではなく、「株価が戻ってきて、上がるまで持ち続けられるお金」という意味に解釈すべきだと思う。
株価が下がった時だけではなく、上がった時でも、大きなイベントは別だが、普段の生活を続けてくのに必要なお金であれば、せっかく上がっている株を売却してしまうことになるので、それはそれで、機会損失という損失になる。
というわけで、余裕資金でやりましょうといいうのは、例えばNISAであれば、S&P500とかオルカンあたりを決めて、毎月積み立て額を決めたら、収入が増えたり、減ったりして、その積立額を変えるタイミングにでもならない限り、証券会社の積み立てを設定して、後は、5年、10年、あるいは20年、放置して気にしないくらいの投資で丁度良いという事なのだと思います。
いや、それではなんか物足りないという人は、その人なりの枠を決めて、特定口座で短期・中期の投資をすれば良いということになりますが、それも、短期であっても、やはり余裕資金でというのは大事な事だし、個別銘柄よりは、攻めるにしても、TQQQやSOXL などの、インデックス連動型で分散されているものに投資するのが良いのではないかと思う。
インデックスには、たいてい、そのインデックスを牽引している1つあるいは少数の銘柄があるのだけれど、だったら、その銘柄だけ買った方が良いのではないか?という意見もあるのだけど、例えば、TOPIXとTOYOTAのチャートを重ねてみればわかるが、調子が良い時は、TOYOTAの方が大きく差を付けて上昇するのだけど、下落しているときは、TOYOTAの方が大きく下落する。米国株のハイテク株も同じような感じで、この違いが分散の効果なのだと思う。上昇時は分散されていることで、「もったいない」という気にもなるのだけど、下落時には「分散していて良かった」と思うわけで、これは、普段健康で病院なんてめったに行かないような人が、それでも医療保険に入っているようなものだろう。つまり「もったいない」のではなく、いざという時の保険ということだと考えることもできる。