長期投資は、市場の変動を乗り越えて資産を成長させることを目的としています。市場の短期的な変動に一喜一憂せず、時間を味方につける投資戦略です。
同じ銘柄を永遠と持ち続ける事ではないし、インデックス投資だけに限った話でもなく、資産の一部を株式市場に長期に連続的にさらしておく事なので、銘柄を増やしても、途中で別の銘柄に切り替えても、長期の枠内だろう。
特に現在のようにほぼすべての株価が下落している時期には、既にある程度の利益を確定している場合、長期投資だからといって我慢して持ち続ける必要はなく、含み損が出ているならむしろ売るタイミングかもしれません。
特定口座は、収益に対して、20%程度の課税がされるが、損益通算があるので、ここで利益の範囲内で損を確定しておけば、節税になる。その売ったものを、タイミングを見て(あるいは見ずに)市場に戻せば長期を継続していることになる。
注意が必要なのはウォッシュセール。日本では明確に定義されていませんが、例えばS&P500を損切りして、即時(30日以内)に再購入するとウォッシュセールと見なされ、その損失は損益通算に加えられず、ただの損失となります。売ってから買うまでに価格が変わらなかった場合は単なる手数料の損ということになるし、価格が上がれば安く売って高く買うというバカを見ることになる。
そのような危険性はあったとしても、今の様な、市場ほぼ全面での暴落局面では、損切りのタイミングとしてはアリだと思う。
利確している範囲内で、という事にはなるが、FNAG+ やNASDAQ で大きな含み損がある場合に、それを損切りして、S&P500を買えば損を確定して節税になるし、長期投資を崩すこともない。もちろん、上昇に転じた時に、FANG+の上昇率が、S&P500の上昇率を遥かに上回ればFANG+を持っておけばよかったということにもなるが、株価は、特にインデックス投資の場合は、急激に下落することはあっても、急激に上昇することはなく、緩やかに上昇をしていくものだし、そもそも長期投資というのは、短期の上下に振り回されず、緩やかな上昇をとっていくものなので、S&P500で十分とも言える。30日後に、FANG+が上昇しているなら、そこで再度FANG+を買っても良いだろう。今回の下げは、2段階になっていて、最初はセクターローテーションで、次に暴落と来ている。セクターローテーションでは、ハイテク株が売られて、ラッセル2000のようなものが買われていた。そこから考えると、今後上昇に転じた場合に、2024年前半のような、ハイテク株集中という状況になるより、むしろ健全にセクター分散された形で伸びていくという期待もあり、後半は、S&P500あたりを持っておくのが無難なのかもしれない。
NISA一本槍
NISAだけで投資をしている場合、NISAは税金が発生しないので、損益通算ができない。特定口座とNISAの損益通算もできないので、NISAで儲かった場合は良いが、含み益が出ていても、何もしないで、積み立てを継続する方が良い。というか、何も出来ない。特定口座でも、オルカン一本とかS&P500一本では結局何もできないのは、同じ事で、損益通算を使うためには、どこかで利確していなければならない。儲かっているんだから20%の税金は仕方ないとは言え、20%は小さくないわけで、損益通算は精神的な安定剤にもなり得るため、これが使えないNISAは、マーケットの状況を考えずに、ひたすら積み立てるしかないのだ。
4月もそうだったけど下落局面になると出てくるのが、「政府陰謀論」
NISAは税金がかからず、長期では安全なインデックス分散投資にフォーカスすることで、国民にメリットがあるが、損益通算で節税する方法は禁じられているため、下落局面では積み立て継続以外に打つ手が無い。売ったら、その年は枠が復活しないという縛りもある。要するに、気絶して積み立てしとけというところがあって、これは実は政府にはプラスだ。国民にとっても政府にとっても、一番のマイナスは、国民が現金を大量に持ったまま動かさない事。つまりお金を殺してしまっている状況であって、NISAという形でマーケットにさらせば、長期では利子も得られるし、国としても、そのお金が企業の成長に使われるので、win-winの関係にもなる。
分散投資
こう考えると、分散投資とはなにかということにもなってくる。
分散投資は、その定義としては、「リスクを分散するための基本的な戦略です。異なる資産クラスや地域に分散することで、一つの市場の不調が全体に与える影響を軽減できます。」となる。
S&P500は500社に分散している、オルカンは、2000?に分散しているから分散投資だとも言えるけど、全部株式であるという意味では分散していないし、S&P500一本、オルカン一本で利確も出来ないなら、リスクの分散にはなっていない。米国株だけ、構成銘柄の多くが米国株のオルカンだけではなく、金(ゴールド)やインド株で分散すべきと言われるのもそういう理由だろう。しかし、日本株はどうなんでしょうね。日本人として日本株を持っているメリットはあると思うが、例えば日経225をそこまで信じられるのか?と問われると、自分には難しい。唯一私が信じられるのはTOYOTAだけだ。もちろん、長期投資での話であって、短期で大きく狙っている人にとっては、長期で上がろうが、下がろうが、その会社が潰れてしまおうが知ったことではないのかもしれない。個別株でそういうことをするのを投資と呼んでよいのか、私は嫌いだ。
様々な投資スタイル
投資家には、個人投資家もいれば、機関投資家、巨大な投資家もいるし、投資方法も、一括投資、積み立て投資だけでなく、信用取引とかCFDとか先物とか、自分は良くわかっていないけどいろいろあるらしい。私はそれを投資だと思えないけど、FXというのもある。今のように世界中で暴落しているときは、泣きながらホールドしている人か、少ない利益や損切り覚悟で売りまくっている人ばかりがいるように思えてくるけど、泣いているのは、信用とかで失敗した人たちや、長期投資なのに、運悪く自分の含み益(損)を見てしまった人たちとかで、案外冷静な人たちの方が多いのかもしれず、みんながみんなパニック売りしているわけでもなさそうだ。損益通算で節税するというのも一つの売りになるし、ローテーションで売っている人もいる。やばいのは「追証(おいしょう)」というやつで、信用で買っている人が証券会社に追証を迫られて払えず、持ちこたえられずに強制的に売られてしまう(ロスカット)パターンで、これはもう悲惨なことにしかならない。信用は例えば、100万の証拠金で300万とか買うわけだけど、含み益が出てしまうと証拠金でカバーしきれなくなってきて証券会社から追証を求められる。払える範囲であれば持ちこたえられるが、今回はどうやら、ギリギリで信用をやっている人が多いらしく、払えずに強制的に売られてしまう。現金も手元にほとんど戻らず、株も失うので、最悪証拠金分溶けて消えてしまう。自らの意思で損切りする場合は、この範囲なら仕方ないと覚悟しての損だが、信用の場合、損切りのタイミングを逃すと、ホールドもできず、消えてしまう。だけでなく、証券会社も精算するのに売らなければならないので、企業の業績とか市場の状況とか全然関係なく売りとなって、今回の様な売りが売りを呼ぶことになり、マーケット自体に迷惑がかかることになる。おそらく、今回の日本株の大暴落は、こういう素人のくせに強欲なバカが引き起こした一時的な現象で、日本はもう駄目だって話ではない。米国株は米国株で絶不調だが、それは日本とは関係無い事情で、それがたまたまタイミングが合ってしまっただけとも思える。その他の国は、大小はあってもどうしても米国株の影響を受けるので売られているだけだろう。
株価はゆっくりと回復する
昨日のどんちゃん騒ぎで、パニック売りと信用の強制ロスカットが一巡したのかもしれない。今日のNI225は、結構な勢いで上がっている。上手な人はこういうのを短期で取りに行くのだろうけど、投資信託だと1日遅れなので間に合わないし、このまま上がり続けると思い込むのは危険かもしれない。今日は10%ちかく一旦上がったが頭を押さえられて9%くらいまで戻している状況。誰かがこの10%で設けて利確しているのだとすれば、また売られ、また買われてと、上下を繰り返すことにもなりかねない。31,000 あたりが底だと確証があれば、もう一度下がった時に、下値が切り上がっていればそこで買うというのはありかもしれないが、34,000を超えている今は怖いタイミングだ。
いずれにしても、株価は本来ゆっくりと上昇するものだから、素人としては、こんなに激しく上下しているところで入らずに、落ち着くのを待って、長期目線で入るのが良いのではないかと思う。NI225で言えば、年末までには、38,000円あたりまでは戻るだろうから、37,000円で買ってもまだ十分くらいに思っていてよいのではないだろうか。あるいはもう一度 32,000円台に落ちてきたら、ちょこっと買ってみるのもアリかもしれないね。
NISAで、純金ETF
というのは、ありなのかも。金(ゴールド)だって、上下はするけど、コモディティなので、株みたいに極端に上下することは無いので、上がっても下がっても気にならず、長期的に見れば、物価上昇に見合う程度には上がるかもしれない。このちょっとしか上がらないかもしれないものを特定口座で持っていると、ちょこっと上がった分を税金で20%も持っていかれてしまうが、NISAであれば税金がかからない。NISAが無税だということで、ならばできるだけ儲かるものが良いとボラティリティの高いFANG+とかを買ったりしがちかもしれないけど、確かに儲かった事だけを考えればそうかもしれないが、今回みたいに業績は良いのに毎日下がる状況となると、結局耐えきれずに売ってしまうことにもなりかねない。そこいくと、金は下がってもその程度でしょってところがあるし、少なくとも株のように紙くずになってしまう危険性は皆無だから、安心して持っていられる。安全資産というのは、下がらない資産ではなくて、多少下がっても安心して持っていられる資産なのかもしれないね。それと、長期ということで考えれば、インド株もNISAに合っていると言われている。今の米国株のような力強さは無いけど、5年後、10年後を考えれば、インドは人口ボーナス時期。米国株が2030年ごろには落ち着いてしまうという話もあって、次はインドだという話もある。その「次」に期待して持っているものとしては、インドは良いのかもしれない。
コメントを投稿するにはログインしてください。