円安の恐ろしさを知る

これは、2024年の年初来のチャートですが、チャートのロウソク足はUSD/JPYです。上に行くほど円安を示しています。それとほぼ平行しているのがS&P500(米国株の平均的インデックス)で、一番上の紫色はETF1655です。このETF1655は、S&P500を円ベースで換算したものであり、日本の投資家が円で米国株市場の動向に投資できるように設計されています。

今年は、S&P500が歴史的な上昇をしていると言われていますが、見てわかるように、円安もそれとほとんど同じ割合で進んでいます。株は暴落して怖いから、金利がほぼ0でも銀行預金で持っているという人も多いですが、このUSD/JPYを上下逆転して見ればわかるように、実は持っている現金の価値は、インフレや為替変動によって調子の良い時の株と同じペースで下落しています。

インフレの原因の一つとして円安が挙げられます。輸入品の価格が上昇し、結果として物価全体が上昇することになります。これは日常生活における出費の増加を意味し、現金の価値がさらに目減りすることを示しています。しかし、なぜそれは恐ろしくないのでしょうか? 自分の持っている財産の価値が目減りしていき、先月まで買えたものが来月には買えなくなるという状況に対して、私は強い懸念を感じます。

しかし、株式投資のリスクを受け入れて、財産を米国株に投資した人はどうなるか、それが1655のグラフになります。もちろんこれは為替を含んだグラフなので、円安の部分を相殺すると、株としての実質の上昇はS&P500と同じチャートになりますが、現金で持っていた人と比べる場合は相殺の必要はなく、チャートそのままとなります。つまり、この1655のグラフは、新NISAで投資を始めた人と現金でそのまま持っていた人との差を示しています。

わずか半年でこれだけの差がついてしまいました。ちなみに、チャート中央あたりでS&P500が少し下がっているところがありますが、これは今年の4月末、ゴールデンウィーク前あたりに米国株式全体が下がったところです。チャート全体から見ればたいした下げではないように見えますが、この時、怖くなって年初から始めた投資をやめてしまった人も少なくありません。当時はかなり辛い状況でした。年初からNISAで積み立てていた人は含み益が減ったかもしれませんが、元本は割っていないはずです。この程度の落ち込みでパニックになる人もいる一方で、銀行預金が目減りしている現状に対して無関心な人の心理は不思議です。預金にも安全性や流動性といった利点がありますが、それを理解した上での選択が重要です。

昨年、新NISAが話題になり、私の周りの人たちはほとんどNISA口座で投資をしていますが、昨年よく言われていた「これからは、投資をしている人と、していない人とで大きな格差が生まれますよ」というのは、まさにこのチャートが示すことだと思います。

もちろん、株が今後どうなるか、円安が落ち着くか、円高に進むかは誰にも予想できませんが、少なくとも今はこういう状況です。相場の動きが変わったら、それに応じて自分で判断して対応すれば良いと思います。NISAは長期運用に向いていますが、売ろうと思えばいつでも売れます。ただし、NISAだからということではなく、投資信託は売りを入れてから約定するまでにタイムラグがあるので、それが心配な人はNISAでは買えないETFにしておいた方が良いかもしれません。インデックス投資は結局右肩上がりだということを信じて、何があっても売らないと心に決められる銘柄や金額をNISAで運用し、それ以外を特定口座で運用する方法も良いと思います。

特定口座だと利確したときに利益に対して20%の税金を取られますが、普通のサラリーマンが収入に対して課せられる税金よりは安いので、例えば、ある程度の金額までは1655で運用し、適当なタイミングで大丈夫だと思える金額だけ売ってNISA口座に移してしまうのも良いでしょう。移すときだけ20%取られますが、NISA口座に入れた後は税金は取られません。

最終的には、NISA口座に元本と含み益合わせて一定の金額が貯まれば、そこから日々の生活費で年金では足りない分だけ取り崩せば良いと思います。「4%ルール」というのがあって、取り崩しを始めた金額の4%を毎年売っても、残りを運用し続ければ減らないばかりか、運が良ければ増えていくこともあるようです。例えば、S&P500が年率5%であれば、5%増えながら4%崩していくイメージなので、それでは減らないでしょう。

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