EcoFlow RIVER2 MAX

現在 Amazon や楽天で購入できるポータブル電源の中で、通常の車での車中泊での利用を考えた場合に、おそらく、これがベストバランスの商品ではないかと思います。

もっと大きなものなら沢山電力を使えますが、冬場に電気毛布やヒーターを使うようなシチュエーション以外では、そこまでの電力は不要です。冒頭で通常の車中泊と書いたのは、車内で料理をしないということも含みますので、電気調理器具で料理をするような場合も除外しています。

現時点というのは、三元系のバッテリーは環境問題含めて終焉を迎えつつあり、各メーカーが製品のラインアップをリン酸鉄バッテリーにシフトしている状況を意味していますが、三元系バッテリーは在庫一掃セール状態で格安で売られていますので、単純に出力スペックと値段だけで比較できない状況で、目的が決まっていて割り切って買う場合を除けば、三元系は除外しての選択になります。

RIVER2 MAX は、リン酸鉄バッテリーで、寿命が長く、レアメタルの使用量も少なく、特にコバルトを使わないので、使うことによる精神的なストレスはかなり少ないです。しかしリン酸鉄バッテリーという事であれば、ANKER の方が先ですし、ANKERはスマホのモバイルバッテリーなど、バッテリーメーカーとしてはかなり信頼度の高いメーカーです。値段も同じくらいで、しかもAmazonのセールのタイミングを狙えば、1万円くらい安く買えたりする場合もあります。RIVER2 MAXのライバルとしては、Anker 535あたりかと思います。

Anker535に対する、RIVER2 MAXのアドバンテージは、ずばり、充電時間です。Anker 535が 3.5 時間に対して、RIVER2 MAXは、1時間かかりません。もちろんこれは、ACからの充電で、車中泊には関係ないと思われる方もいると思いますが、この充電時間の違いは、車内での走行充電でも同様の違いがあります。RIVER2は、最大8Aなので、計算上 96W 程度で充電できますが、Ankerはデータが無いのでわからないのですが、そこまでいけないと思われます。このクラスのポータブル電源だと車に載せたりおろしたりは比較的楽なので、出かける前に簡単に満充電できることもメリットですし、キャンプサイトに連泊などの走行距離(時間)が短い場合では走行充電の速さが重要になってきます。この充電時間の速さは出力スペックに比べるとあまり意識されないかもしれませんが、ポータブル電源の使い勝手というか実際に使ってみると実はかなり重要なファクターであることがわかります。

充電時間だけでも、RIVER 2 には十分なアドバンテージがあるのですが、それに加えて、この形状が素晴らしい。よくあるオカモチスタイルの Anker ははっきり言って取手がじゃまです。狭い車内で使うものですし、持ち運びに取っ手は必要ですが、使用中にはまったくの邪魔者になりますので、RIVER2 MAX のこのデザインは車中泊利用ではかなり便利です。充電中のスマホなどを置くだけでなく、車のキーとか貴重品とかを(なくす事無く)置いておくのに丁度良いです。しかも取手が無いわけではなくしっかりしたものがあり、その下に入力のプラグがあるので、取手がプラグを守る形にもなっています。

入力の話をすれば、AC充電では、他のポータブルバッテリーがAC充電器を必要としているのに対して、RIVER2 は電源コードのみで接続するのですが、これも大きなアドバンテージです。万が一ケーブルをなくしてしまってもPCのケーブルが使えますし、重たくて大きくて製品ごとに微妙に違うトランスを何個も持たなくて済むのはかなり嬉しいです。

ちょっと気になるところ

トータルで考えてベストバイだと思う RIVER2 MAX ですが、気になるところがいくつかあります。これは車中泊利用ではなく、冬場車から下ろして自宅で利用していて気になった点ですが、自宅では、AC(壁コンセント)に接続したまま、UPSとして使おうかなと思っていたのですが、AC接続したまま使うと、必ずファンが回ります。これが結構うるさいんですよ。ファンの余計な電力も消費しますし、そもそもパススルーしていならファンが回転する意味なんて無いと思うのですが、逆にもし温度上昇を避けるためだとしたら、パススルーになっていないということになりますから、UPSを謳うのはおかしい気がします。出力はそのままでAC入力を抜くとすぐにファンが止まるのもおかしな話で、感覚的には逆です。バッテリーを使うから温度が上がりファンが回るなら自然ですけどね。サポートに確認したところ、そういう仕様(AC接続中は必ずファンが回る)だという回答でした。仕事にならないうるささなので、実質PC用のUPSとしては使えません。

容量は、車中泊用としては十分なのですが、これ結構出力が高いので、400Wのストーブとかつなげたくなってしまったりするのですが、400Wストーブだとバッテリーでは1時間くらいしかもちません。これは製品の問題でも何でもないのですが、購入される場合は、X-BOOST含めてあまり出力の大きさに期待しない方が良いかもしれません。使えるけど容量が大きくないので持続時間は思った以上に短いです。一瞬車中で300Wのファンヒーター使えるなぁと思ったのですが、1時間しか使えないのでは意味がありませんからね。

それともう一つサポートに確認したことがあって、アプリで「待機時間」というのを設定できるのですが、PCでよくあるような一定時間使わなければパワーオフになりますといった設定ですけど、これは、AC接続(入力)中は効かない仕様だそうです。こちらは実害はありませんが、設定してもACもシステムもいっこうにオフにならないので気になって確認しました。

あとは、たまに、ACからの充電が終わらないことがあります。 99%まで行って、永遠にファンが回転して充電が終わりません。こちらもサポートに確認しましたが、稀に充電量の判定誤差でそうなるようです。一旦ACを抜いて差し直せば100%まで行きますが、出かける前とかに充電して持ち出す場合は良いですけど、AC接続して充電中に外出するような場合は気になるところです。実はRIVER2 MAX には充電・放電レベルという設定があり、例えば、10%になったら出力を停止するとか、80%で充電ストップするとかができるのですが、私は95%に設定していて、その状態でも、94%で延々充電が終わらなかったことや、何故か99%まで充電されてしまったことなんかもありました。稀にしか起きませんが、最大・最小値の前後ではもうすこし判断に幅を持たせる(94% – 96% は、95% と表示して95%として扱ってしまうとかです)ような工夫が欲しいところです。

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