日産ワンペダル

ブレーキを踏まずにアクセルだけで車を運転できる、「ワンペダル」って一体どうなってるの? 特に街なかで先行車が居る時とか、信号待ちとかぶつかったりしないの? という疑問がずっとあって、今回の南紀旅行では、レンタカーとして ノートePower を借りました。

結論から言うと、ワンペダル+プロパイロット+オートブレーキホールドの3つが組み合わさると、一般道から高速道まで、従来の車とくらべてだけでなく、フリードのホンダセンシングとくらべても、遥かに楽に車を運転できます。にもかかわらず、運転の楽しさはまったくスポイルされません。(もちろん峠を攻めたりとかではなく普通のドライブの話です)

ただし、普段の運転の癖によっては最初戸惑いを感じる人もいるかもしれません。私はバイクからで、バイクの時期が結構長く、最後は1100ccまで乗っていましたので、たぶん車からの人より、アクセルワークが緩やかで、エンブレ多様型だと思うのですが、そういう傾向の人には、ワンペダルはまったく違和感がありません。逆にアクセルを踏んで加速したらあとはアクセルを離して惰性で走るとか、アクセル=>ブレーキ=>アクセル=>ブレーキと、頻繁にブレーキを踏む人には向かないように思います。

例えば、私は前方信号が赤で、信号までの距離が100m以上ある時に、早めに減速して信号が青になるころにそこに到達するように、つまり可能な限り停止しないように調整してしまうのですが、一つは転がり抵抗の関係で停止から発進は燃費が悪いのと、もうひとつは同乗者にあまり加減速のショックを与えたくないというのがその理由です。タイミングによっては停止ぎりぎりのスピードまで落とす事になりますが、なんとワンペダルは、ブレーキを一切踏まずにそこまで持っていけます。普通の車だったらEV車でもアクセルオフでもそこまでエンブレがかかりませんから、どうしてもブレーキが必要になるのですが、今回の旅行では信号待ちでの停車以外ではほとんどブレーキを踏まずに(しかもそれをあまり意識せずに)コントロールできました。

交差点でブレーキを踏んで停止する場合は、オートブレーキホールドが効きますから、一定時間ブレーキを踏んだあとは足を離しても車は止まっていてくれます。フリードも坂道でのブレーキホールド機能はあるのに、なんで平地でそれが効くようにしなかったのか謎なくらい便利です。

ワンペダルがあれば、プロパイロット(のオートクルーズ機能)は不要ではないかと思うほど、ワンペダルで楽に運転できるのですが、高速でも一般道でもある程度の距離を流す場合は、ワンペダルではアクセルから足を離せないので、プロパイロットをONにしておくと、更に楽になります。ePowerはパーキングブレーキが電動なので、オートクルーズは 0km/hまで追従します。先行車が頻繁に右左折したり、左の店の駐車場から車が割り込んできたりするような状況では難しいところもありますが、ある程度の流れがある場所だと、先行車が居ても、いなくても、アクセルもブレーキも踏まずに、ハンドルだけで運転出来てしまいます。これ、理屈ではそうだということではなく、実際に運転して実感しました。最初は本当に停止するのか不安でブレーキペダルの上に足をかけていましたが、加減速の仕方、特に先行車がいるときの停止までの流れがすごく自然で、途中からは足はフロアーに置いたままでも不安を感じずに運転できました。

自分の車であっても同じではありますが、運転する時に一番思うのは、絶対に事故は起こしたくないということ。特にレンタカーでは、慣れない道を慣れない車で走るので、自分の車より疲れるのが常ですが、こういった機能により、かなり安全に楽にドライブできるようになったんだなと実感できました。また、レンタカーでは特に、ちょっとしたこすりギズも避けたいところですが、それには360度アラウンドビューがかなり役立ちます。これは単なる駐車支援だと考えていたのですが、狭いクランクとか、他の車や人が沢山いる駐車場内での移動とかでもセンサーが障害物をキャッチした途端に自動で画面が切り替わり周囲の状況がわかるので、すごく便利でした。自分の車なら一旦車を降りて、あるいはみかこさんに降りてもらって確認しながら動かすような場面でも、モニターを見ながら楽に切り抜けられました。レンタカーを無事故、無傷で返すには、もはや必須の機能ではないかと思います。多少高くても、修理代払うよりかは安いので、保険料だと思って選択しても良いのではないでしょうか。

全体感として、ホンダセンシングは運転補助機能を集めたもので、それらをうまく使いながら、自分で運転する感覚であるのに対して、日産のワンペダル+プロパイロット+αの機能は、車にアクセルペダルを使って自分の意思を伝えると、車が判断して最適な運転をしてくれるような感覚になりました。既にProパイロットは2.0となり、高速道での手放し運転、自動追い越し機能なんかも実現されているようですが、我々の世代の憧れ、ナイトライダーの K.I.T.T のようなものに乗れる日は、そう遠くないのかもしれませんね。

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