車中泊とポータブル電源

車中泊ではエンジン停止が基本マナーとなった

車中泊というのは、もともと(車中泊なんて言葉自体がなかった頃)、長距離ドライバーが道横のPなどで仮眠をとったり、あるいは、スキーヤーが渋滞を避けて深夜スキー場へ向かい、スキー場のPやドライブイン、高速のSAなどで仮眠をとったりするといった形が種類で、車中泊自体に快適性とか各種装備とかを求めていませんでしたし、インターネットなんてものも無く、携帯電話も普及しておらず、車内でスマホでネットアクセスしてYoutube見るなんてことは全くありませんでした。TVを見るということもなく、雑誌を読んだり、カーオーディオやラジオで音楽聴いたりするということが多かったです。食事もコンビニ弁当とかパンとかですませていました。電気を使うデバイスは少なかったですが、あくまでも仮眠ということで、基本的にエンジンはかけっぱなしでした。特に寒い時期の場合は車のヒーター頼みなので、エンジンは停止できません。しかし、今やねこもしゃくしも車中泊で、しかもキャンピングカーさながらの快適性を求める時代となりました。またスマートフォンやインターネットの普及、車内での飲食などで車内で電力を使う事が多くなりました。ピーク時の道の駅では、道の駅の売店などは閉まっていてトイレのみ使用できる状況なのに、駐車場は満車で、駐車スペースで無いところにまで車が停まっている状態もめずらしくありません。そんな状況で、多くの車がエンジンかけっぱなしだったら、どうなるでしょう? そういう背景もあって、今では車中泊では、エンジン停止が基本マナーとなり、そして実際大多数の車はエンジンを停止しています。

車中泊でのポータブル電源の用途

快適性を求めることは、シートを倒して仮眠していたのが、車内をフラットにして、マットやシュラフを使って快適に眠るという変化に代表されるかと思いますが、食事もコンビニ飯と缶コーヒーから、キャンピングカーの様に車内で簡単な料理をしたり、コーヒーをいれたりといった形態に変化しています。スマホやプロジェクターで映画を観ることもあります。 この快適性とエンジン停止は、ある意味相反していて、快適さを求めるとどうしても電力が必要になりますから、エンジン停止できなくなってしまうのです。そこで、乗用車でありながら、サブバッテリーを組んだりする強者が現れたのですが、そんなことは誰にでもできる事ではなく、素人が手をだすと危険です。そして需要が高まって来た時に登場したのが、ポータブル電源というものです。災害用を謳っている事も多いですが、私は「災害用」というのは、なんだか言い訳的なもので、殆どの購入者が、車中泊、あるいはキャンプでの利用目的ではないかと勝手に想像しています。テントも発電機を持ち込まない限り車中泊と似たような条件です。キャンプに快適性をもとめるようになったということも似ています。私がキャンプを始めた頃は寒い時期はキャンプをしないか、服を何枚も重ね着してシュラフに入り、床にはダンボールとか新聞とかを敷いたりするのがせいぜいでしたけど、今では雪の中でも、高性能なマットとシュラフと電気毛布でヌクヌクのキャプも珍しくありませんね。薪ストーブを使って暖をとっている人でも、インターネットや冷蔵庫といったことで電力を使っていたりします。

我が家の場合は、前の車(アルデオ)までは、車中泊は仮眠の延長で、シートをフルフラットにして、エンジンかけっぱなしでした。車内でタブレットで映画を観ることもありましたが、電力は基本的には各デバイスのバッテリーと車のシガーからの充電でまかなっていました。調理やコーヒーを淹れたりといったことはなく、シュラフは使っていましたが、車のヒーターが使えるので、電気毛布とかまったく考えていなかったです。それが今の車(フリード)に乗り換えてから大きく変わりました。アルデオの時も後半は、なるべくエンジンを切って、寒くなったら、あるいは夏は暑くなったらエンジンをかけるといった事をしていましたが、フリードの場合後席と荷室を使って寝るということや、スマートキーということや、ハイブリッドだということで、エンジンを掛けて寝る、あるいは途中でかけるということがかなり大変になってしまいました。運転席にはアクセスし辛いですし、エンジンをかけるにはブレーキを踏まなければなりません。掛けても数分ごとに停止したり再始動したりで、落ち着きません。ずっと掛かっていれば案外慣れるものですが、数分おきにセルが回る状況で寝るのはかなりつらいです。といったことで、ポータブル電源の導入を考えるようになりました。

最初の用途としては、スマホやプロジェクターの充電と電源確保です。調理しようとかお湯を沸かそうなんて考えてもいなかったので、どちらかというと、モバイルバッテリーの大きなやつくらいの感覚で、SUAOKIの S270 を買いました。これはかなり小型で使い勝手もよく今でもお気に入りです。今年になってずいぶん値段が下がったので、1台追加して2台になりました。容量も使用できるW数もかなり低いですが、この程度の用途であれば、S270で十分です。その頃は、旅行は体育の日が最後みたいに決めていたこともあり、エンジンを止めても、シュラフに入れば朝までなんとかなっていたのですが、フリードでの車中泊があまりに楽しく快適なのと雪の降り始めが以前より遅くなったこともあって、次第に旅行の期間が伸び、11月でも車中泊をするようになってくると、シュラフだけでは辛くなってきました。ここで選択肢としては、高価なダウンシュラフを買うか、3,000円くらいの電気毛布を買うか、使い捨てカイロでしのぐか、湯たんぽを使うか、もしかしたら、イマージェンシーシートでしのげるかといろいろあり、シュラフは高すぎるので、あれこれ試した結果、やっぱりイマージェンシーシートだけでは大変で、しかも快適というのは程遠く、気分は遭難?って感じなので、電気毛布を買いました。シュラフの中に入れれば、S270でもなんとか二人で一晩(5-6時間くらいでしょうか)持つかどうかといった感じで、朝には空です。これは最初温度を中くらいにしていたということもあって、慣れてきたら最弱でも全然なんとかなり、S270でも一泊くらいは余裕なのですが、最初は、走行充電をしながらでも、二泊目は厳しいといった状態だったため、たまたま値引きだったこともあって、G500を買いました。確かに容量が増えたのである程度余裕が出ましたが、G500はデカくて重いので、持っていくのが嫌になりました。S270二台持ちを考えたのもその頃ですが、買おうかなぁと思っていた頃に、今使っているダウンのブランケットに出会いました。これは高級なシュラフ(使ったこと無いので想像)に匹敵するくらい暖かく、シュラフの中では上に寝て、これを二枚掛けすると、かなり寒い時期でも快適に寝れます。夏は1枚で快適、寒い時期は2枚で快適、家でも使っています。とにかく軽くて暖かい、そして、暑くなりすぎない快適な温度を一年中手に入れられます。というわけで、G500はしばらく使わずにいたのですが、たまには充電しないとと思って、先日充電しようとしたら、時既に遅しで、バッテリーが残っている状態で保管していたのに、もう充電ができなくなってしまっていて、巨大なゴミとなっていました。ちなみに、S270はまだ現役で使っています。殆ど使っていなかったのが原因かもしれませんが、ネットではG500が充電できなくなったという話も多く、修理もバッテリーセルの交換で買ったほうが安いなんて話も出ていますので、G500のバッテリー保護回路がダメダメなんでしょうね。

そうこうしているうちに、時代は、三元系から、リン酸鉄へ変わりつつあります。リン酸鉄リチウムのバッテリーは普及に時間がかかり、また、そのメリットもあまり認知されていなかったように思いますが、当時は、充電回数より、安全性の方が強調されていたように思います。ポータブル電源オタクのような大きな電源を使っている人でもまだ、三元系が多く、まして私のような小型のものを求めている者にとっては未来のものだったのですが、ひょんなことから、Amazonで、リン酸鉄リチウムの小型バッテリー(SPI-320A)を見つけたときは、その時かなり安かったこともあって、つい買ってしまいました。出力W数と容量が、S270の約倍だったということもあります。つまりS270二台持ちを考えていた私には好都合でした。これは今でもメインで使っているものですが、出力は 300W max で、 298wh です。既に電気毛布を使わなくなってしまったので、S270二台持ちにする必要もなく、若干後悔したのと、最初S270の方が小さいのでしばらく使わなかったのですが、せっかく買ったしもったいないからとこれ(のみ)を使うようになって、製品としては地味ながら、真面目にしっかり作られているものだということがわかってきて、更にリン酸鉄のもう一つのメリットである、充電回数が、三元系500回に対して、2000回ということに気づき、こちらをメインに切り替えて良かったと思っています。S270も(サブにまわしたことで)長持ちしますし、これも十分な充電回数がありますから、車に常設するにはもってこいです。

SPI-320Aを買ってよかったと本当に実感したのは、小型冷蔵庫を買ってからです。冷蔵庫は今や我が家の必需品ですが、これは、みかこさんの糖質制限とも関係していて、以前は旅行中は外食したり、惣菜を買って食べたりしていたのですが、どちらも糖質が多いものばかりであるため、今は旅行中の食べ物の80%前後を旅行前に自宅で用意して持っていくようになっていまして、寒い時期ならまだクーラーバッグでなんとかなっていたのですが、少し気温があがってくると、初日はともかく2日目まで持ちません。あとは氷ですが、我が家はどんな時期でも、ドライブ中のマグカップ用の氷と晩酌用の氷が必須なのですが、クーラーバッグの場合は、毎日さつどらなどで氷を買って、かつその半分くらいは溶けてしまっていました。冷蔵庫を買ってからは、2泊くらいなら家で作った氷だけでもちます。(そのために冷蔵庫の温度を -1 度にしています)この冷蔵庫は冷蔵庫自体バッテリーを持っていて、(温度設定によりますが)半日くらいはもちますが、1泊の旅行であれば、SPI-320Aとつなげておけば、SPI-320Aは走行充電で、冷蔵庫は、SPI-320Aからの給電といった接続で、なんとなくバランスしているのですが、2泊、しかも、キャンプ場で連泊で移動が少ない場合は、走行充電が完全に追いつかずに、朝になったら、冷蔵庫のバッテリーも、SPI-320Aも空っぽになってしまいました。ちなみにS270はというと、DC出力に何か問題があるのか、シガーソケットでは冷蔵庫が動きません。ACにして冷蔵庫のACアダプターを持ち歩けば使えますが、数時間しかもちません。

今年は、キャンプ&カヌーが多い為、キャンプ場2泊の度に、冷蔵庫が心配という事態となってしまい、いままでは、車=>S270=>SPI-320A=>冷蔵庫 という接続で、容量を増やそうとしていたのですが、どうも、この接続はかなり効率が悪くて、あまり意味がありませんでした。仕方ないので、G500を持っていくかと思ったら、先日充電できなくなっていてショックをうけたところです。

RIVER 2 MAX の登場

G500が壊れてしまったこともあり、そろそろ新しいバッテリーが欲しいなと思い始めていたのですが、やはりこういうものは、無名のメーカーより、J とか E とか A とかの大手メーカーが良いと思ったのですが、Aは早くからリン酸鉄に切り替わっていましたが、J や Eは、今切り替わっている最中のようで、出揃って無くて、また、三元系を売り切りたいのか、Amazonで三元系がかなり値下がりしています。流石に今、三元系を買うのは偶然SPI-320Aを入手して使ってきてメリットに気づいた自分としては愚の骨頂ですから、どうしたものかと思っていたところに、RIVER 2 MAX が登場しました。

実は、今 Amazon のセールで、Anker の、535が51,900円になっています。Anker はモバイルバッテリーで自分が最も信頼しているメーカーです。 RIVER 2 MAX は Anker の 535 と同じ値段なのですが、まったく値引きがありません。下のクラスの、RIVER 2 は 10%割引になっているのに…. このまま RIVER2 MAX が値下がりするのを待つか、Anker を買ってしまおうか迷いましたが、Anker はDC出力ジャックがシガーしかないとか、RIVER 2 MAX は同程度の容量なのに、充電時間が圧倒的に違うとか、スマホアプリが連携できるといったことでかなり悩んでました。スマホアプリ連携なんてどうでも良いと思われる人も多いかもしれませんが、私は冷蔵庫でその便利さを実感していたので、かなり魅力的です。しかも、RIVER MAX は WIFI だったのに、RIVER2 MAX は bluetooth です。 WIFI接続はスマホでいちいち切り替えなければならないし、接続性は悪いし、切り替えている間ネットが使えないしで、まったく不便極まりないです。

すごく迷った挙げ句、Anker 535 は諦めて RIVER 2 MAX を待つことにしたのですが、もしかしたら、Amazon以外で安くなっていないかなと Googleさんに聞いたら、楽天に EcoFlow の直ショップがあって、Amazonと同じ値段でした。一瞬「同じかぁ」と思ったのですが、よく見るとクーポンがあるではないですか。しかも、1,000円引きとかではなく、6,490円引き、つまり 10% オフです。Anker の 51,900 とは開きがあるものの、RIVER 2 が セールで 10% 引きだし、EcoFlow は人気があって値崩れしない(三元系はだいぶ安くなっていますが)ので、発売されたばかりだということも考えると、これは買いです。よね? しかもそのクーポンには、今日の15時までと書いてあります。その後どうなったかは、ご想像通りです。

つづく…. (かも)

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