今年に入ってみかこさんの VAIOがおかしくなった。
かなり前からおかしかったようで、最初「VAIOのWindowsが突然終了してしまう」みたいな事を言っていたので、どうせなにかオペレーションミスとか、Windows Update を誤解しているのではないか?程度に思っていた。なにせ、ほとんど確認もせずにダイアログでOK押しちゃう人なので、「再起動しますか?」に無意識に「はい」と答えている可能性も十分あると思ったのだ。
しかし、それが頻繁になってきたので、おかしいと思って見たら、バッテリーレベルが限りなく0に近く、ローバッテリーでシャットダウンしていた。 そりゃ勝手にWindowsが終わるわな…
しかし、まてよ、これ、ノートPCではあるが、ほとんど固定で外部ディスプレイまで付けて使っているので、AC挿しっぱなしだし、バッテリーなんて要らないはずなのに、なんでローバッテリーで落ちるんだ? そもそもなんでローバッテリーになるんだ?
ということでいろいろ調べたら、どうも、ACアダプタは刺さっているのに、ACではなくバッテリーモードで動いている、それに充電もされていない…最初ACアダプターが壊れたのかと思ったが、LEDは点灯しているし、おかしな事に、ディスプレイを閉じてまた開くとACになったり、ならなかったり。 つまりACアダプターは生きている。
そこで、どうもACジャックの接触不良ではないかと思い始めた。 ディスプレイを絶妙な角度で止めると、ACになるので、応急処置として、みかこさんには、「ディスプレイに触ってはダメ!」指令発令。 今までディスプレイの開閉でON/OFFしていたのを、自動休止モードへの以降時間を1分とか極端に短くして、自動OFFとして、ONは、シフトキーにしてもらった。
最初の頃癖でディスプレイをパタンと閉じてしまい大騒ぎになる事が数回あった。なにしろ絶妙な角度にするのが大変で、かなりイライラするので、VAIO離婚か?というような状況になるのだ。なんでこんなことで言い争わなければならないのか…
そんなんで、ソニーのカスタマーセンターにも電話したのだが、これが見事にたらいまわしで、あっちで説明して、こっちで説明して、同じことを何度も、何度も。 おまけに、3回目に紹介された電話番号は、使い方相談だとかで、1回いくらだったか、1分いくらだったか、有料なのだそう。
ACアダプターは挿しっぱなしで、使い方に問題があるとは思えないし、なんせ、こっちはソフト技術者ではあるが一応コンピュータで飯食っているから使い方がわからないとか、乱暴に使うとかあり得ない。結局最後に修理依頼窓口を紹介(最初から紹介してほしいんですけどぉ)されて、電話したら、これが、沖縄音楽がなるだけで一向に繋がらない。 仕事の合間で電話しているので、30分も40分も沖縄っぽい音楽を聴いているわけにはいかないのだ。 ってことで、ソニサポを一旦諦めたのが、3月。 結局、その時は、ディスプレイを絶妙な角度にして復活。みかこさんもだいぶ慣れてきて、ディスプレイを閉じることもなく、順調?に 昨日まで使えていた。
そんなんで、忙しいってのもあったんだけど、昨日まではだましだまし使っていたんだけど、昨日とうとう、ディスプレイを触っても居ないのにACに切り替わらなくなってしまった。 ディスプレイに触らなくても、ちょっとVAIOの位置を変えただけでダメって状態になったようだ。
そのあと二人して、イライラしながらも、冷静を保ちつつディスプレイの角度を何度も調整してみたが、結局だめ。
というわけで、今日、分解する事にした。
しかし、もともとその手の事は好きだけど、いちおうメーカー品だし、ある程度の品質を期待して、SONYを選んだってこともあって、VAIOに関しては、分解はおろか、OSの入れ替えすら我慢してきた事もあって、諦めを付けるために、SONYの修理依頼窓口に電話。どうせ繋がらないと思っていたら、1分くらいでつながった。
で、事情をもう一回ぜーんぶ説明して、「こういう状態なんだが、ACは抜き差ししていないし、他の部分は全く正常だし、そもそも移動していないのに、こうなるのは、構造に問題があるのではないか?」と切りだしてみた。 ACアダプターも正常、バッテリーも年数は経っているが超いたわりモードで使っているので正常、現象から考えてもACジャックの問題であることは明らかだと思ったので、そう伝えた。(そうこのときはまだACジャックの問題だと思っていて、湿気で接触が悪くなったのか?といった事も頭にはあった)
電話の対応は、丁寧であるがマニュアル通り、バッテリーを一旦はずせとかそれで1分まてとか、再度ACを繋げて起動するか?とか、言われた通り全部やったんだけどダメで、結局、SONYに送ってみなければなんだわからないということになった。 ここまではまぁ想定通りで、ダメもとで電話した理由はこの後だ。 実はTZのACジャックの問題は、多くは無いがネットでもヒットするし、使い方から考えて、これは構造的欠陥なので、無償修理ということを期待していたのだ。
20万(くらいだったと思うんだけどいくらだったか忘れちゃった)もする商品で、ディスプレイがどうとかキーボードの入力がおかしくなったってのなら諦めも付くが、ほとんど問題無く動いているのに、ほとんど触ってもいないACジャックだけの為に、馬鹿高い修理代を払うのは納得がいかないのだ。 もちろん数千円だったら払っても良いのだが、聞くと、既に保証が切れているから、まず、修理代がいくらになるか見積もるだけで、5000円以上かかるのだそうだ。修理ってことになればその5000円はかからないようだが、修理代がいくらになるかまったくわからないという。技術料がかかるので、最低でも1万5千円はかかるとの事。
で、もう一度確認、「私の使い方に何か問題があると思いますか?」と聞いてみたが、No。
では、見積段階で、こちらの使い方に問題があるのか、VAIO自体の問題かを見極めていただけますか? にも No. だった。 というわけで、コスト数円の部品の為に、数万円の修理代を覚悟して、あまり高い場合に自分でなんとかしようと思っても5千円も取られるという話になり、「SONYさんはそれで良いんですね?」となんとも聞いて、何回か上司?に確認してもらったが、それ以外対応できないとの答えをもらって、ようやくこっちも諦めがついた。
ふぅ。前置きが長かった…
で、晴れて?分解! 分解!
ネットで知恵を借りながら、まずはシリンダーカバーを外してみたところ、
断線してる!
いや、びっくりしました。 この細いシリンダーカバーの中に、かなりデリケートなラインが赤3本、グレー3本。しかも、かなり無理やり押しこんであって、1本は完全にクロスして圧迫されている状態。 で、このうち、5本が切れてました。
ディスプレイの角度でなんとかなっていたときは、かろうじてこれが接触していたんだなぁ…そりゃすごく絶妙な角度が必要だったわけだ。
これは明らかに構造上の問題+組み立て技術の問題。 まず、こんなシリンダーの中みたいなディスプレイの開閉でうごく部分に配線を詰め込む事が問題。 ACジャックなんて、わざわざシリンダーに付けなくたって、本体につければいいじゃん。 しかもここがパターン配線とかじゃなくて、細いコードってのが最悪、更にそれが2本じゃなくて6本もぎゅうぎゅうつまっていて、いわゆる「噛んじゃっている」状態のもある。
これじゃよほど卓越した実装がされていなければ、ディスプレイの開け閉めでこうなるのも当然じゃない?
ちなみに、一部被覆が黒っぽくなっているところもあったので、SONYお得意?のバッテリー周りの発火(発煙)ってもあり得たかと思うと、ぞ~~~~
最初面倒なので、この状態で、結線しようと思ったんだけど、なんせブチブチ切れまくっているので断念。 ひっくり返して、10数本のネジをはずして、慎重にキーボードを外してから作業しました。
こうして見るとひどいもんだ。
で、結線だけど、実はもうこういう事からかなり遠ざかっていて、半田ごてもないし、面倒なので先ちょ剥いてごにょごにょの素人作業となりました。 しかも、テスター無いし、あっても、そもそもわかんないし、6本中5本切れているしで、さて、どれとどれをつなげれば良いのやら…
ま、とりあえず同じ色どうして(^^; あとは、かろうじて被覆だけつながっていたようなのはシリンダーだけはずした状態で仮止めしておいたので、残りは赤4本。組み合わせは2通り。長さで判断しようかと思ったが、ジャック側はかなり違うけど、本体側はほとんど同じ長さ。そもそも長さなんて当てになるのかぁ? しかたないので、気合一発ヤマカン(と言いつつ、間違えたらどうなるかわかんないんで、爆弾解除作業並に迷いました、赤か!青か!みたいな…)、で結線してAC挿したら電源入りました。 ほっ。
最後にすべて戻しておしまい。
AC側のシリンダーカバーは今回の記念に外したままとしました。ってのは嘘で、もともとコードの長さがぎりぎりなのに断線で更に短くなったり、ビニールテープで雑な絶縁しているので、戻らないんですね。 無理やりもどしてもディスプレイが閉じなくなったり、また怪しくなったりしそうなので、安全の為にとりあえずこの状態で様子見です。
というわけで、今回の一件で、ほとほとSONYにはがっかりさせられましたので、今後、あらゆる分野でSONY製品を買うことは無いと思います。 もともと壊れやすいメーカーだってことは感じていたけど、最先端?の事をやっているし、部品をぎりぎりまで使っているので、仕方ないっていうか、まぁ、技術屋としては、それがちょっと格好いいくらいにも思っていたんですが、こーんなお粗末なもの売ってたんですね。 >SONYさん。
それとあらためて思いました。 コンピュータは電気が無いとたんなる箱だってこと。 いくら速いCPUでも、いくら薄くて軽くて、格好良いものであっても、電源はいらないんじゃ全部意味なしです。
(追記)
ひとつ忘れていたので、追記。
ソニサポとのやりとりの中で、保証がどうこうとか、使い方が悪いかどうか判断とかいろいろあってそれは書いたのですが、「もし明らかに構造的な問題で、こちらの使い方に問題が無かったらどうなるの?」 とも聞いてみたんですよ。 その答えがまたびっくり、 「そういうのは、自然故障という扱いになって、修理代はお客様負担になります。」(台詞はちがうけどそういう内容)という答えが返ってきました。
悪く捉えれば、ディスプレイの開閉でいずれ壊れるだろうということがわかっていたとしても、保証期間さえクリアしてしまえば、その後壊れてもそれは、SONYの責任ではないという事です。
そして、SONYは今回、似たようなクレームは無いと言っていましたが、実はこの機種はまさにこの部分の問題でリコールが発生していて、うちのも購入後に一回ソニーに送って修理しているのです。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200809/08-0904/index.html
なんなんでしょうね。「自然故障」って。 そんなのソニーさんが勝手に決めた定義で、ユーザにとっては故障は故障で、その原因が問題なんですけどって言ってみましたが、ダメでした。 olz
(更に追記)
ネット情報によると、上記リコールで、やはりこの部分に手が入ったらしい。私は、SONYを信用していたので、そこまで確認した訳では無いが、まさにこの赤とグレーの線で、隙間から見える色が変わっていたという話だ。
ということになると、リコール修理で、修理どころか問題を作りこんだ可能性が出てくるわけだから、保証期間うんぬんという話自体もうナンセンスだな。 リコールという形でユーザのPCを手間かけて送らせておいて、時限爆弾をしかけて、爆発したら平然と修理代を取るっていうのは、酷いんじゃない? それでも、「自然」故障なんですかね。