SwitchBotによるセントラルヒーティングの自動ON/OFF

おそらく北海道で一番ポピュラーな暖房と言えば、灯油燃料のセントラルヒーティングではないかと思います。以前はFFストーブなどが主流で、今でもFFストーブは人気の暖房ですが、家全体暖房の快適さやコストを考えると、灯油燃料のセントラルヒーティングは、他のものに置き換えられない最適な暖房だと思います。しかし、電気に比べればずっと安いものの、やはり冬の灯油代はかなりかかります。

真冬だとほぼ暖房が切れないので、常時ONとなるのですが、秋・春は、日中は暖房をOFFにして、夜間ONにするということが頻繁に発生します。電気の暖房は立ち上がりが遅いので、頻繁にON/OFFするより常時ONにしておいたほうがトータルコストが安くなるようで、灯油セントラルヒーティングも同じ様に言われた時期がありますが、今は、灯油の場合は立ち上がりが早いので、かなり冷えてしまってからONにした場合にはそれなりのコストがかかりますが、一定範囲内では、ON/OFFした方が有利と言われています。

もう一つの要素として、セントラルヒーティングは、灯油以外に、電気も使います。これは、灯油で温めた温水を家中のパネルにポンプで循環させるのに電気のポンプを使っているからです。またシステムの維持にも若干の電力を消費するようです。我が家ボイラーの場合、システムOFFでも、コンセントを挿しただけで、2.8Wh 消費されています。 ON にすると、150Whから、680Whくらいの間で常時電力を消費します。

セントラルヒーティングの温度コントロールは、基本的にはボイラーのレベルと、各部屋のパネルのダイヤルでコントロールします。どちらも、「何度」という設定ができず、1,2,3,4… といった数値で、ある程度の期間使いながら、どの数値が良いのかを自分で把握する必要があります。また、ボイラーの設定を上げて、パネルの設定を下げるのか、パネルを全開にしてボイラーの設定で管理するのが良いのかなど、経験と高度なテクニック?が必要となり、それによって、トータルの燃料コストが変わってくるのですが、燃料コストがわかるのが、次に灯油を入れるタイミングだったりして、正直、どうするのが良いのかさっぱりわからず、勘でやっているようなところがあります。

セントラルヒーティングのコントロールの面倒くささに終止符

灯油代も電気代も上がり、勘でやっていては無駄が多いので、もう少し科学的な?方法でコントロールできないかと考えていました。確実で無駄が少ないのは、やはり寒くなったらスイッチをONにして、適温になったらOFFにする方法ではないかと思うのですが、24時間ボイラーのスイッチに張り付いて操作するわけにもいきませんし、外出中など物理的にできない場合もあります。強弱のコントロールの代わりに、ON・OFFするメリットは、OFFの間は電気代がかからないということで、灯油代だけでなく、電気代も節約できることにあります。

SwitchBot導入

ボイラーによっては、リビングから操作できるリモートスイッチを持っているものもありますが、我が家のボイラーはボイラーにスイッチがあるので、せめてリビングからスイッチが押せれば良いなぁと思っていて、調べた結果、SwitchBotの指ロボットというものがあることがわかりました。ハブが必要だという情報と不要だという情報があり、また、ちゃんとボイラーのスイッチが押せるのか半信半疑だったので、最初は「指ロボット」を導入しました。指ロボットも結構高いのですが、ハブはそれ以上です。最初位置合わせに苦労しましたが、スイッチが指ロボットのエッジの真下にくるようにすれば良いということがわかってからは、うまく設置できました。実は買った時に、同時にトイレのウォシュレットの自動化もできそうだったので、人感センサーやコンセントのON/OFFのスマートプラグも買っていたので、ボイラーのコンセントにスマートプラグも付けてみました。指ロボットがうまくいかなかったら、コンセントで強制ON/OFFするかくらいの覚悟でいましたが、ボイラーのスイッチをOFFにした時はクーリング動作があるので、コンセントでOFFにしたらボイラーを壊しそうで怖かったです。

スマホでON/OFF

指ロボットとスマートプラグで、ハブ無しでも、スマホから操作ができました。最初にスマートプラグをONにして、それから指ロボットの押す動作を実行します。OFFにするときは、指ロボットの押す動作を実行してから、スマートプラグをOFFにします。これが家の中ならどこに居てもできるのは、かなり便利です。購入した時は知らなかったのですが、スマートプラグは使用電力がわかるので、スマホでON/OFFの状態がわかります。指ロボットは状態がわからないので、最初はスマートプラグで強制OFFしてしまうか、毎回自分の指では操作せず、自分でONかOFFかの状態を把握しておくしかないかと思っていたのですが、スマートプラグで電力がわかるのは便利ですね。

自動でON/OFF

スマホでできるとなると、やはりそれを自動でやりたくなるのが、プログラマーの性というものです。自動でやるには、シーンというものを設定する必要があり、また、トリガーとなる温度センサーが必要になります。温度センサーと指ロボットはハブなしでも連携できるのですが、センサーとスマートコンセントの指ロボットのセットで使うにはシーンがどうしても必要になります。そのシーンを使うには、ハブが必要です。たまたまハブ2という温度センサー内蔵のハブが出たばかりで、これがうってつけのものだったので、ちょっと高かったですが、買うことにしました。トイレの自動化、玄関ドアなどと同時進行でした。このハブは、今ではマストだと思っていますが、それぞれを Bluetoothだけで接続しているより、反応も早く、シーンを使って(やや)複雑な事もできますし、なにより、外出先で状態把握と操作ができます。スマートプラグは WiFiを持っているので外出先からも使えましたが、指ロボットはハブ無しでは外からは押せず、また、もし温度センサーを買ったとしても、外からは室温がわからず、仮に自動設定にしていたとしても、ただしく動作しているか確認できない不安がありました。これが、ハブの導入で一気に解決します。

自動設定のポイント

前述のように指ロボットは状態がわかりません。ボイラーをONにしたいときは、そのときボイラーがOFFであることが前提になります。ボイラーがONなのにONにしたら、OFFになりますので。また、ボイラーをOFFにするときは、指ロボットを操作した後に、一定時間待って、スマートプラグをOFFにする必要があります。 SwitchBot のシーンには、待機という設定が無いので、指ロボットの操作の後続けてスマートプラグOFFにしてしまうと、この一定時間待つというのができません。このあたりをどうするかがポイントでした。SwitchBotにはAPIがありますので、最悪、IFTTTとGASで、コントロールすることは可能ですが、メンテが大変なので、できれば、SwitchBotのシーンだけで解決したいと思っていました。

最終的に、次の4つのシーンを設定しました。

  • 室温が22度以下になったら、スマートプラグをON
  • 室温が22.5度以上になったら、スマートプラグをOFF
  • 室温が21度以下で、スマートプラグの電力使用量が、5W未満だったら、指ロボットを押す => ボイラーをON
  • 室温が、21.5度以上で、スマートプラグの電力使用量が、5W以上なら、指ロボットを押す => ボイラーOFF

です。指ロボットの操作の条件として、スマートコンセントの電力使用量を使っていますが、スマートプラグがOFFの場合は、室温に関係なく条件は成立しませんから、指ロボットが動いてしまうことはありません。スマートプラグをOFFにするときは、ボイラーは確実にOFFの状態で、クーリング動作も完了しているはずですから、安心してOFFにできます。 室温が、21.5度から22度の間だけ、約2.8Wの電力が無駄になりますが、これは、スマートプラグを入れるまでは知らなかったもので、今までは1年中コンセントを挿しっぱなしでしたから、それに比べれば、全く問題になりません。

昨夜から今朝にかけてのグラフ

この時期でも、まだ北海道では暖房が必要で、夜間は結構冷え込みます。これは、ハブ2の温度計のグラフですが、このグラフだと、22:33頃に室温が21度を切り、自動でボイラーがONになり、30分くらいで21.5度を越えてOFFになるという動作が、朝までに5回繰り返されたことがわかります。ボイラーの立ち上がりは思っていた以上に早く、これを一晩中自分でやっていたら寝れませんね。外気温が低ければ、OFFにしてから21度を切るまでの時間はもう少し短くなるでしょうし、逆に外気温が高ければ長くなるでしょう、こういったことをタイマー設定だけで設定できるものではありません。また、ON/OFF動作が実際のリビングの室温ベースになっているということもポイントで、かなり曖昧さを排除できます。もちろん同じ室温でも、夏と冬では寒さの感じ方が違いますが、それは、季節によって、トリガーとなる設定温度を多少変えればすむ話ですし、夏は冷え込んでもボイラーをつけるほどではないので、スマートプラグをONにするシーンを止めておけば、冬まで完全にOFFにもできます。

エアコンもコントロール可能

エアコンはリモコン対応で、ハブからコントロールできますから、同様の設定をしてエアコンも自動で動作させることが可能ですが、今は、その必要は無いと思っています。エアコンを使う時はその部屋に居ていつでもリモコンを操作できるときがほとんどであることと、外出中に部屋の温度をキープしておく必要もないです。加えて、エアコンのリモコンというか温度管理はボイラーに比べて優秀で、(あまり信じてはいませんが)何度という設定ができます。我が家のエアコンはかなりの老体なので、SwitchBot使うくらいなら、おそらくエアコンを買い替えた方が、電気代も安くなるし、温度管理もより正確になって良いような気がします。

参考

我が家のボイラーは、コンセントを抜いてから入れた場合(停電時も同じ)には、ボイラーの設定が4になります。 SwitchBot でのコントロールでは意図的にこれを使っています。

今までは灯油代節約の為に、(実際に意味があったかどうかはわかりませんが)メモリを2とか3にしていました。当然真冬では温度が足りず、室温が20度を切ることもあって、厚着をして我慢したりしていました。しかし4だと、逆に温度が上がりすぎることも多く、外はマイナス10度なのに、室温は、26度なんてときもあって、かなり無駄に思っていました。ここに、セントラルヒーティングの温度調節の難しさがあったのですが、室温で自動でON/OFFできるようになると、4くらいがちょうど良いように思います。パネルのダイヤルは全開で良いでしょう。温度検知をリビングで行っているので、他の部屋とのバランスのため、パネル側のダイヤルを多少変更する必要はあるかもしれませんが、我が家の場合トイレや寝室などは多少寒くても問題ないので、基本はリビングの室温ベースが良いと思っています。

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