開票率0%当選確実

選挙の結果速報がTVで流されているが、やはりおかしいと感じるのは、
「開票率0%、なのに、当選確実」というやつだ。
出口調査などで、明らかに「もう、これは決まりでしょ」との判断からだそうだが、
「確実」とは、そんなものなのだろうかと疑問に思う。
一票を投じた立場とすれば、その票を一票も開かずにして当選確実と
喜ばないで欲しいと思うし、落選した人に当選したとすれば、
その票には全く意味が無かったのか?と突っ込みたいところである。
当選した人は、しかし、その人に一票を投じなかった人も確かに居るのだという事を
きちんと受け止めるべきではないだろうか?
それは当選した本人だけでなく、当選した人に投票した人もまた、同様ではないだろうか?
当選かどうか、それは確かに最重要な事だとは思うが、
どのくらいの割合の票を獲得して投票したのかといった事も実はとても大事な
事ではないだろうか。
それなのに、0%の開票率で当選確実などと報じる事にマスコミはしのぎを削っている。
いきおいTVを見た人も、当選かどうかだけに着目してその背景を知ろうとは
しなくなるのではないだろうか。
ここにもあまりにも低俗な選挙活動が飽きることなく繰り広げられる一つの
要因があるようにおもう。勝つことだけが全て。自分が何を主張するかではなく
選挙に勝てば良いのだ。難しい事を言っているより、拡声器という時代遅れの
テクノロジーにしがみつき、住民の迷惑などなんのその、名前を連呼した方が
はるかに効率がよさそうである。
当選したらどうしたいかなんて、後から適当にでっちあげれば良いのだろうと思っている
のではないか?と疑いたくなる候補者も居る。
実際候補者のホームページを見てみても、あたりさわりの無い、小学生でも
考えつく事ばかり書いてある事も多いし、
ひどい候補者ともなると、ホームページに「選挙戦の間はホームページは一時閉鎖します」と
書いてある。その候補者の選挙カーは単に名前を連呼するだけ。
どうやって、その主張を知れば良いのか….
開票率0%に話を戻すが、有権者の中には、どうせ0%で当選確実が決まるのだから
投票には行かないという、勘違い人間も出ているようだ。
これを選挙ではなく、オリンピックで考えてみたらどうだろう?
予選でもダントツ、安定性もピカ一の選手が居て、競技前に誰が見ても金メダル確実
だったとしても、競技をする事に意味はないと言えるだろうか?
例え二位の選手でも、あるいは、入賞さえできなかった選手であったとしても
何か感動を残してくれるかもしれないし、その競技の中で、その人の努力、その人らしさ
を感じる事はできるのではないだろうか?
結果は大切だが、結果だけが全てではない。我々はその過程の大切さを実は知っている
はずでは無いのだろうか。
そして、そういう感動を与えてくれた人に、「あなたは金メダルこそとれなかったかもしれないが
私にこんな感動を与えてくれた」と伝えたいと思う事は無いのだろうか。
「開票率0%当選確実」という報道の背景に、それを報じる側と報じられる側双方の
選挙というものに対する、あきらめというか、「所詮我々庶民は庶民でしかないのだ。
“あなたの一票が大切”というのはきれい事に過ぎないのだ。」という絶望感が現れているように
思えてならない。
そしてもう一つ、後援会という組織のメンバーに問いたい。
あなたは、あなたが後援している候補者の政治理念を正しく理解しているのだろうか?
対立候補との違いを、正しく把握しているのだろうか?
単に自分がたまたま関わったというだけで、その候補者が当選すること「だけ」を
望んで活動をしていないだろうか?
町民、市民の日々の生活を脅かしてまで、平気で拡声器や電話で選挙活動を
行う事になんら疑問を感じないのだろうか?
「大変なのはわかりますが、仕事のじゃまをしないで欲しい」と訴えている人間に
平気で、「我々も必死なんです」というばかげた台詞を吐く前に、申し訳無いとは
思わないのだろうか?
どんな世界にも、たとえスポーツマン精神に則ったオリンピックであったとしても
裏表はあるものだとは思う。 本音と建て前はどこにでも存在するのだと思う。
しかし、選挙ほど開き直ってしまっているものは無いと思う。
「そんなものだよ」
で片付けてしまっても良いのだろうか….

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開票率0%当選確実 への2件のフィードバック

  1. Kaz(Ka's) のコメント:

    私も同感。ただ、選挙やオリンピックそのものより、メディアの発するものすべてがそうなんでしょう。TVだけでなく、雑誌や新聞も。視聴率や部数を上げるためだけの内容です、ほぼ。すべてが意図的に演出されている。多分、直接接することで、中には、メディアに現れないようなところに触れられれば、そうでないところもあるのだろうとは思います。
    (あ、こんなことを書いてるときに新聞が配達された^^;)

  2. はじめ のコメント:

    なるほどね。
    メディアを否定するつもりはありませんが、アフェリエイト大流行やGoogleの成功が物語っているように、「広告」収入というものの存在が大きい世の中ですものね。
    「売れればよし、売れなければ駄目」それはそうなんですが、しかしその製品を作っている人はともかく、広告収入で食っている人は製品そのものなんてどうでも良くなってしまうのかもしれませんね。
    選挙もそう。その後ろでその政治家を操っている人だけでなく、応援する人にとっても、政治家の理念とかと離れてしまって、当選することで得られる何か別の利益の為に運動しているとすれば、「当選してナンボ」になってしまうのかな。

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