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テントでもタープでもないもの
ドームテントの黎明期にキャンプを始めて、その後、駐車場で車の中で寝るスタイルに移行して、更に焚き火をするようになってからは、タープだけ張って焚き火を楽しみ、夜は車の中で寝るオートキャンプ、あるいはフリーサイトの場合はサイトで焚き火を楽しんでから、夜はサイト横の駐車場で寝るというようなスタイルになっているので、「テント不要、タープだけあれば良い」と思ってずっとやってきましたが、その間もキャンプギアはどんどん進化して、テントでもタープでもない、シェルターと呼ぶようなものが出てきました。
きっかけは虫
タープだけのスタイルで何の不満も疑問もなかったのですが、やはり虫の多い時期はちょっと困ります。スプレー式の殺虫剤はあまり使いたくないし、蚊取り線香は、タープだとほとんど効果がないです。唯一効果があると感じたのは、USB扇風機で、蚊などの飛ぶ力の弱い虫は寄り付かなくなります。ですが、アブや蜂、ハエなどはしぶといですし、カメムシに至っては、どんどんやってきて、追い払うと臭いしで、なんとかしなければと思うようになりました。そこで、蚊帳を吊ってみたのですが、もともとは屋内用のものですし、吊るのも面倒だし、風に弱いので、そこそこ効果はあるものの、毎回使いたいとは思えませんでした。
スクリーンテントはどうだろうか?
STと呼ばれるスクリーンテントは友人が持っていたりして以前から知っていたのですが、私の知っているものは、ドーム型テントのウォールをメッシュにしたようなもので、高級なものだと、メッシュとフライの2重になっていて、その時に応じて、閉じたりメッシュにしたり、あるいは両方開けてしまったりすることができるようです。構造としてはドーム型が多く、フロアーは無いものが多いように思います。これは、虫には有効だと思うのですが、何故か、これを持っている友人は多いのですが、使っているのをあまり見たことがないのです。どうも、ちゃんとしたテントやタープを持っているのに、虫ごときのために、それとは別にこれを張るのが面倒だという事らしいです。荷物にもなりますしね。
サイトで寝ないので
我が家はサイトでは寝ないので、そもそもテントを持っていませんし、STをタープの代わりに使うのもありかなぁとは思ったのですが、しかし、何故か気が進みません。しかし、まぁ試してみるかということで、1万円くらいの安いSTを注文したところで、友人から、コールマンの4Sドームが余っているからあげるよと嬉しいお話が。4Sドームはフライの中にインナーを吊る構造で、フライがメッシュにもなるので、インナー吊らなければSTとして使えるよということでした。そこで注文した商品をキャンセルして、キャンプ場で受け取ることに。
4Sドームには2種類ある
270 と 300 があって、270は通常のドームテント、STとしても使えるのは300の方なのですが、友人が勘違いしていて、広げたそれは270でした。ということで、サイトで寝ない(=テントを使わない)我が家には使えませんでした。しかし、その時の友人とのキャンプで、新たな発見が!
スノーピークランドステーションとの出会い
その時は4人でキャンプだったので、秋口で夜は冷え込むこともあり、友人がスノピのランステを建ててくれました。片面を開けていましたが、中に灯油ストーブを用意してくれていたので、夜も暖かく過ごせました。タープだと壁がなくすかすかなので、ちょっとでも風があると寒く、ほぼ、外で過ごしている感覚ですが、こういうシェルターだと、外でもあり、中でもあるという良いとこ取りできるのですね。焚き火を楽しみながら、しかし暖かく過ごせるというのは、かなり良いものだと思いました。以前冬キャンでその友人の別のシェルターにお世話になったことがあるのですが、そのときは、まだテントだと思っていたので、あまり自分ごとのようには考えていなかったのですが、STを検討していたことなどもあって、「欲しい」と思ってしまいました。その時は、もうひとりの友人の為に、ギリアも張っていたのですが、それだと中で立ち上がるにはちょっと高さが足りないし、ツードームみたいな感じで、テント+リビング的な印象で、タープを 2.5m 以上のポールで高く張る我が家の好みの空間ではないなと思いました。しかしランステは高いし、でかすぎるとも。
モーニング・グローリー 発見
そんなことを考えながら、朝トイレで座りながらスマホ見てたら、サバティカルでモーニング・グローリーというのをディスカウントしている。私にしては高い買い物だけど、4万円代ならなんとか手に届く範囲だ!ということを発見して、さっそく友人に聞いてみたら、「それ、いいよ~」とのこと。ギリアはかまぼこ型の発展型だけど、モーニング・グローリーは、TPの発展型なので、高さがあります。しかも前面がフルメッシュにできて、視界も十分、前面は3本の補助ポールを使って広げてあるので、シンプルなTPみたいに、中心は高くても裾側は狭いという窮屈さがない。その上、TPの良さである基本ワンポールで簡単に建てられるというメリットは十分。TPでも1面をタープのように持ち上げることができるものが多いですが、持ち上げるには2本のポールが必要で、かつ各ポールは基本2本のガイロープを使うので、結構面倒なのですが、モニグロはポール一本かつガイロープ1本です。入口左右の補助ロープもガイロープは1本なので、ほんとよく考えられた構造だなと思いました。
イージービルド
基本的にはビルドテープを使って、四隅をペグダウンして、センターポールを立ち上げるだけ。ガイロープはあくまでも補助で、幕体自体で固定するために、基本構造としてはガイロープは不要です。この状態で一応「立った」と言えます。あとは空間を拡張するために、左右をペグダウン、入口を構成するために、フロントポールとサイドポールを、それぞれガイロープ一本でペグダウンすればおしまいです。最後に、突風防止のために、4箇所をゆるいテンションでロープで張って完了です。ポイントは、ビルドテープをできるだけ直角に張るということと、フロント側をあまりピンと張りすぎない事です。フロントを張る時にあまり引っ張りすぎると、チャックが閉まらなくなりますので、張るときはちゃんとチャックを締めてからペグダウンするか、あまり引っ張らないほうが良いです。このときはまだセンターポールを入れていないので、分かりづらいですので、そこは慣れが必要でしょう。ビルドテープは、四角形ではなく、コの字型であることも注意です。リア側の横のテープはありませんから、最初は直角をうまく出せないかもしれません。そのため、メルカリで、斜めとリア側の2本の追加用ビルドテープを作って売っている人がいました。これは便利そうですね。
しっかりしたもので、送料込み 5,400円は良心的な値段だなと思いますが、実際立ててみて思ったほど苦労しなかったのと、必要なら、パラコードをフロントのビルドテープと同じ長さにカットしてリアに張っておくだけでも十分かなと思ったので買いませんでした。実際、そこまで神経質に張らなくても良いかもしれないと思いました。
撤収のコツ
コツというほどのものでもないのですが、幕体が結構大きいので撤収時に一工夫すると楽です。上でも書いたように、四隅とセンターポールで立っているものなので、左右対称の形をしています。これをまずは中央から半分になるようにたたむわけですが、二人いれば、後ろと前を持って持ち上げて半分にすることもできますが、一人だと地面でぐちゃぐちゃになります。風があると、飛ばされたりして更に苦労しますし、幕体の内側はなるべく地面に付けたくないですよね。なので、補助ロープのペグを抜いて、左右のペグを抜いて、フロントの3本のポールを外して、設営時の四隅とセンターポールの状態になったら、左か右の前後のペグだけ抜きます。その状態で、ペグが残っている側に向けてセンターポールを倒します。こうすれば、内側が地面に設置することなく、倒した側に、ほぼ半分に折りたたまれます。あとは、尖った部分を内側に折り込んで、収納袋の幅になるように長い長方形を作ったら、端から巻いても良し、半分半分に折り込んでも良いでしょう。この時、補助ロープを付けたままにしておけば、次回から時短になります。フロントの3本のポールも、ポールを刺す部分とロープを留める部分が別になっていますから、ロープは付けたままにできます。タープの場合、ロープはポールに幕を固定する役目もあるので、幕の上からポールにかけるのが一般的ですが、この構造は良く考えられているなと思いました。フロント中央のポールは上下がリングで、左右は、下はリングで上はキャップになっていて、ガイロープで幕体をポールに固定する必要が無いのです。余裕のある収納袋のサイズも相まって、撤収はかなり楽です。設営も撤収もドームテントのような面倒くささがまったくありませんでした。ポールを2本使うタープよりも簡単だと思いました。
他にもメリットが
タープに比べてめりっとが沢山あります。
- 虫対策
- 少し風があっても寒くない
- 荷物を置いても、外ではないので安心感がある
- フロントメッシュで、リアやサイドも跳ね上げられるので、タープっぽくも使える
- 焚き火との距離を取るので焚き火の暖かさは弱くなるが、気が向いたら、椅子をさっと持ち出して焚き火の近くへ移動するのも簡単
- メッシュを通して見る焚き火や風景は絵画調な感じがして、それはそれで面白い
- 中で立って着替えができる(あたりまえだけと、タープじゃ無理)
- ストーブを使えば、暖かさがキープできる。
- 10kgを切る重さで、軽いし比較的コンパクトで荷物にならない
- 中が広くて快適
- などなど。
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