我が家は、駐車場部分と、隣家との境の部分を、地下水で融雪している。
そのうち、駐車場部分は、結構水が出るのだが、ポンプ1台で無理やりかなりの面積に散水しているので、隣家との境の部分は結構雪がたまってしまうのが問題だ。
しかもその部分は、屋根の雪がドドドーンと落ちてくるので、見た目にもかなりインパクトがあり、隣家の主人も気が気でないらしい。
最初は塀も無かったのだが、隣家に言われて費用折半で塀を作った。。
これは結果的にはとても良かった。
北海道は雪対策のために、平らな屋根(無落雪屋根)が多く、隣家含め我が家の近所もほとんどがこのタイプなのだが、我が家は、私が東京出身という事もあり、どうも平らな屋根は「家」に見えなくて嫌だったので、落雪タイプの屋根になっている為に、屋根の雪下ろしをしないで良い代わりに庭と隣家との間のスペースに屋根の雪がすべて落ちてくるわけだ。
この屋根の落雪はかなりの量になり、また、少したまってから落ちるために、ドドド~ンと音がするので、
結構インパクトがあるが、実際にはかなり頻繁に落ちるので、雪自体はそれほど重たい状態ではない。
雪にもいろいろあり、降ったばかりの雪はかわいいものだ。それが積もって、踏み固められていくうちに、雪というより氷となり、だんだん厄介なものになってくる。
最もやっかいなのは、町の除雪のブルドーザーが運んでくる道路部分の雪というより氷の板だ。
札幌などでも問題になっているが、このブルが置いていく雪は、本来我が家が処理すべきものではない。我が家の前は道路含め結構綺麗に除雪しているのだ。
ではどこの雪かというと、ほとんどが、近所のほとんど除雪をしない傍迷惑な家のところからやってくる。酷い家になると、除雪しないどころか、ブルが来るのを予想して雪を道路に出す家もある。
(というか、そういうのが多い….) 加えて我が家は角地の為、他の家にくらべて倍以上と思われる量の雪がブルドーザ(通称ブル!)によって運ばれてくる。
「ブルが来た!」と言えば、我が家では「暴走族が来た」とか「やくざが来た」に匹敵するぐらい嫌なことなのだ。
話がそれたついでに、落雪屋根と無落雪屋根の話をすれば、きちんと除雪するならば、落雪屋根は潔い屋根だ。
自分の家の屋根に降った雪は自分で何とかしなければならないからだ。
ところが前述のように、一見落雪のインパクトがあるので、なにやら悪者の様に言われる。
実際には、悪者は、無落雪屋根の方で、一見すると屋根から雪が落ちないので近所に迷惑をかけていないように、見えるが、実際は、一冬分の雪がずっと屋根に載っていたら大変な事になるのだ。
ではどうなっているかというと、約30cmくらいは積もったとしても耐えられるように作ってある
それ以上の雪はというと、風で近所の庭へ飛ばす設計になっている。
その為、小屋裏(これは落雪屋根でも同じだが)は、断熱・喚起を十分に行い、屋根が温まらないようになっている。(温まってしまうと雪が中途半端にとけて氷となり、風で飛ばず、屋根にずっと積もってしまったり、すがもりの原因となる)
このように、自分の家の屋根に降った雪を、風で飛ばす前提で作られているので、無落雪屋根が連なっている地域は、ある意味雪を押し付けあっていることになる。
そして損をするのは、たまたま風向きの関係で吹き溜まりであったり、我が家の様に、飛んできた雪を受け止めて下に落としてしまう落雪屋根の家なのだ。
さて、十分に話がそれたところで、しかしそういう背景があって、潔い?我が家としては、隣家との間に落ちた雪をなんとかせねばならない。で、最初の話に戻るわけだが、庭側のポンプの水を反対側の隣家との境まで塩ビ管でまわして融雪している。
この地下水融雪はかなり効果があるのだが、この距離が結構長いので、水の出が十分ではなく、どうしても人手が必要になってしう。
駐車場部分はこんな感じ。
この雪の大半は我が家に降った雪ではなく、ブルが運んできたものだ。
それを融かすのが結構大変で、車の上の雪まで手が回っていない。
もちろんこの後、車の雪も融かすけど、更に庭の雪も融かすので、かなりおおがかりなのだ。
ことしはみかこさんが骨折して全く戦力にならないので、
70を超えている義母と二人がかりで戦っている。
こちらが、問題の隣家との境の部分。これは昨日の朝の写真。
隣家との間は、幅 2.5m のアスファルト舗装になっている。長さ15m程度。
かなり雪がたまっている。
隣家との間の塀は腰の高さくらいまでだが、ほぼその高さまで埋まっている。
この時期になると、隣家の庭に降り積もった雪も塀の高さまで到達している為、
我が家の屋根の雪だけでなく、そちらからも雪が入ってくる。
加えて前述したように、近所の無落雪屋根の雪も(量は定かではないが)入って来ていることになる。
白いラインが見えるが、これは、昨年末に試作した、パテジソンロードヒーティングパネル。
今日は、同じものを2枚増設した。
この状態(昨日の朝)では。パネルの効果はいまひとつのように見えるが、
今朝みたら、パネルの上は完全に融けていたし、その向こう側の雪はこの状態とあまり
変わらずに積もったままだった。
シートの威力を実感した瞬間だったが、写真を撮るのを忘れていたので残念。
地下水は、右側の壁に沿ってほぼ均等に散水しているのだが、融雪はかなり斑(むら)ができてしまう。
一つには、十分な水量が得られないという事と、もう一つは、今回パテジソンシートに出会うきっかけとなったのだが、水がこの通路のアスファルトに均等に広がらず、糸状に流れてしまうためだ。
そこで、ネット検索をして、見つけたのが「パテジソンシート」なるもの。
一見厚手の布といった感じだが、実は、水をシート全体に行き渡らせる特殊な機能を持っているシートなのだ。
本来屋根に貼り付けて、その屋根に水を流す事で、ロードヒーティングならぬルーフヒーティングに
してしまう為のシートで、裏面にのりがついていて屋根の鉄板に貼り付けられるようになっている。
このシートを、つかって、上述の通路部分の水を均等に分散することができれば、かなり融雪の手間が軽減されるに違いないと考えたのだ。
実はこのシートを見つけたのは、一昨年の冬だったのだが、まだ北海道でも扱っているところが無く
直接パテジソン社にメールで問い合わせても、小売はしていないということで諦めていたものだ。
小売していないので金額もわからず、きっと高いんだろうなと思っていた。
ところが今年、もういちどググってみると、去年より沢山ヒット!
そして、その中に、登別の荒川設備さんがこのシートを扱っているらしい事を見つけたのだ。
前年の問合せで、小売はしないと言われていたし、ほとんど駄目元で、メールで問い合わせたところ
社長の荒川さんから、すこし時間をくださいとの返事。
つまり、こんな余市の個人の、しかも素人の思いつきの為に検討してくださるというありがたいお話だったわけ。
その後、パテジソン社にお話をしてくださり、特別にm単位で小売してくださることになった。
その間に数回荒川さんとメールをやりとりし、更に何とパテジソの社長の高橋さんからもお電話を頂くことができた。実はその高橋さん、驚いたことに数日前、突然我が家を訪れてくださったのだ。これにはもう感激。いろいろお聞きしたかったのだが時間があまり無いご様子で残念。でもこの素晴らしいシートを開発された方に直接お会いできて感動。
荒川さんも高橋さんも、とてもお忙しい方だと思いますが、とても親身になって相談にのってくださり本当に感謝しています。
さて、そんな経緯でなんとか小売していただけることになったパテジソンシートだが、手元に無いし、当然ホーマックなどにも置いてない。
ホームページの写真だけではどのようなものかもわからないので、アスファルトの上にそのまま敷けるのか、なんらかの加工をしなければならないのか、加工するとしたらどうすれば良いのか見当がつかず、荒川さんにお話を伺いながら、また、高橋さんに電話を頂いたときにお聞きした内容から考えて、どうやらパネルに貼るのが良いだろうということになった。
シート裏面の粘着剤の関係で、コンパネだと塗料を塗るなどしないと接着しないとの事もわかってきた。
コンパネ自体は1000円前後で買えるはずだが、塗料を塗るとなると、金額もさることながら、加工も結構大変だ。
家の中ではできず、さりとて、雪が既に降っている外ではむずかしいと思われ…
更に、コンパネというのはこれは結構重たいもので、敷いてしまえば安定するしよいのだが、設置するまでの取り扱いは結構大変だし、シーズンオフでも敷きっぱなしになりそうだ。
できればもう少し軽い素材で、かつ、シートの粘着剤と相性がよく、そのままシートが貼り付けられるものが無いかと近所のホームセンターを探し回った。
アクリル版はどうかと思ったのだが、荒川さんに、それではコストがかなり高くなってしまうと助言されて断念。
で、昨年ついにホームセンター・ラッキーで、「プラダン」という板を発見。
プラダンとは何ぞや? プラスチックの断熱材かと思ったのですが、「プラスチックダンボール」とのこと。なるほど。
これが、まさに私が求めていたもので、耐熱・耐水・耐油性に優れ、かつ軽量・安価
そして、パテジゾンシートがそのまま貼れる!
サイズも、91×182(180だと思っていたのでシートの発注量を間違えたぁ….今気づいた)で、目的にぴったり!
まさに、ラッキーだったが、実は購入したのは、ラッキーではなくてホーマック。(^^;
価格は、1枚698円。コンパネより安い。(^o^)v
パテジソンシートの価格は、特別に小売していただいたこともあるので、ここでは伏せて置くが、
このパネルと合わせても1枚 10,000円前後で作れる。
高いと思われる方もいるとは思うが、パテジソンを屋根に施工すると m^2 1.2~1.5万円は、かかるそうだし、更に屋根となると足場を組まなければならない。
ちなみに、一昨年ペンキを塗ってもらう時、足場代は、30万とか40万とか言われた。
(その時は、足場を組まず、結局、とんでもない方法でペンキを塗ってましたが…)
それにボイラーや電気を使ったロードヒーティングを導入するとなると、桁が違ってきてしまいまうので、
うまく機能すれば、この価格は十分安いと言えるのだ。
我が家の場合はこのパネルが5-6枚あれば、なんとかなるだろうと思う。
…という経緯があり、昨年、白いプラダンパネルを1枚購入して、実験用に荒川さんに小売していただいたシートを貼って、
パテジソンロードヒーティングパネルを作成したのだ。
最初融雪パネルとして作成したのだが、
後でロードヒーティングパネルと呼んだほうがふさわしいと思った。
それはパテジソンシートの特性にある。
パテジソンシートは、水を分散して雪を融かすという考えのもとに作られたものだと思っていたのだが、
本質的には、そうではなく、水をシート全体に行き渡らせることによって、
シート全体を温水で覆って融雪パネルにしてしまうという、画期的なものなのだ。
電気による発熱体や温水パイプの上にパネルを載せるのではなく、
パネルの表面に地下水を流す事で、面状発熱体を形成してしまうわけだな。すごい。
地下水を触ったことがない方は、水で発熱とはこれいかに?と疑問に思われるかもしれないが、
地下水って水道水なんかと違って、冬でも温いのだ。
さて、これがプラダン。今回は黒いのにしてみた。
断面はこんな感じ。とっても軽いが、ダンボール構造?なので、やわやわではない。
プラダンの上に、シートを置いてみたところ。プラダンの幅は91cm シートは42cm幅
最初はなんとかしてプラダンの幅にシートを合わせようとか、重ね貼りしようかとか思ったが、
考えてみたら、そんなにシビアに作る必要も無いので、プラダンの左右ぴったりにシートを貼り、シートとシートの間を、10cm程度空けることにした。
うまくいけばこの間にも水が流れて、分散はしないかもしれないが、有る程度融雪するだとうと思っている。
ちなみに、「ぴったり」と書いたが、別に左右ぴったりである必要もない。
むしろぴったりにこだわりすぎてはみ出すとそこからシートがめくれてしまい、
耐久性が落ちてしまうとも思われるので、はみ出すよりプラダンの内側に貼った方が良い。
パテジソンシートのクローズアップ。見た目はそんなに凄いシートだと思えないのだが、実は凄いのだ。
昨年は実験の為、2m x 3 シートを荒川さんに切断してもらって送ってもらったが、
今回は、どのようなものかがわかったので、16mほど切断なしのロール上で送っていただいた。
こんな感じのシートなので、送料も思ったほどかからないのが嬉しい。
まずロール上のシートを裏返しにして2mほど出して床に敷き、その上にプラダンを乗せる。
で、鉛筆で線を引いてから、鋏でチョキチョキと切断。簡単に切れるのが、嬉しい。
今回は、プラダン2枚買ってきたので、1.8mのものを4つ切り取る。
鉛筆と鋏だけあればOKなので、私でも簡単。
これが噂?の粘着部分。左側が剥離紙だ。
張り方はとっても簡単。
まず、シートをプラダンの右端に合わせて敷いてから、このようにシートの上端の
剥離紙をめくって、プラダンの上部にあわせてちょいと貼っておく。
剥離紙を、少し右にはみ出させておくのがポイント。
で、あとは、この状態のまま、剥離紙を一気に剥がしながら、シートをプラダンに貼ってしまうのだ。
パテジソンシートは丸まった状態で届いたのだが、このシートの重さや柔らかさがまた絶妙で、
剥離紙をスーッと抜き取るだけで、綺麗にプラダンに張り付くのだ。
これなら、(本来の使い方である)屋根での施工も楽に違いない。
ほんとうに良く考えられているシートだと感動してしまう。
反対側もこんな感じで貼り始めるわけだ。
写真を撮るために半分ほど剥離紙をはがした状態で止めたところ。
スーッと一気に剥がしちゃっても全く問題ない。
ただし、剥離紙を全部はがした後、途中に一部空気が入ってしまうことがあるので、
シートを手で伸ばして、空気を抜く。これをしておかないと剥がれやすくなってしまうはずだ。
空気は簡単に抜ける。私は手でやってしまったが、タオルみたいなものを手に巻いたほうがよいかも。
思いっきりこすると手が熱い(^^;
プラダンの右半分に張り終えて、左側にはるシートを上に乗せたところ。
左側も張り終えて、ロードヒーティングパネルの完成
今回はこれを2枚作る。
横からみるとこんな感じ。粘着剤との相性も良く。綺麗に貼れている。
更に拡大すると、プラダンの中空構造がわかりやすいかな。
こんな構造なので、敷いた後にあまり上に載らない方がよいと思う。
さて、パネルを敷くために、外に出る。
今日は雪は降っていないのだが、パネルを敷く為に昨日から地下水を出しっぱなし。
また、今朝は、一汗かいて、融け残った雪をほぼ融かしきった状態。
手前側はほっておいても結構融けるので、パネルを敷くのは置くのまだ雪が残っているように
見える部分だ。
ちなみに、中央左側にある、のは、屋根の雪が隣家の駐車場へなだれ込まない様に
前シーズンに作成した防御ネット。イレクタで作成。
置くの塀(左)に立てかけているのが今回敷くパネル。
わかりづらいが、中央手前に白いラインが見えるのが、昨年から敷いている実験用に敷いたパネル。
雪が融けていないのではなく、解けているところに、今回敷く部分の雪を載せて融かしているところ。
パネルを敷いてみた。2枚を横並び。
この面積全体が自動的にとけるとると、かなりありがたい。
水が出ているところをクローズアップ。
水は15~20cm間隔くらいかな。塩ビパイプにドリルで穴を適当にあけているので間隔がマチマチだが、
さっそくシートに水が行き渡りはじめた。
残念ながら、パネルの下がちょっとデコボコ(氷が取りきれなかった)しているのと
プラダンがたわむので、水が全面に広がらず偏ってしまった。
ま、雪が載ればそれなりになるに違いない。
運がよければ、雪が載った部分が重みでたわむので、そちらに水が流れる。
で、そこが解けると別の部分に水が流れて全自動か?….そんなにうまくいくかな。
雪を載せてみた。なんか良い感じ。
ちょっと偏りがあるが、じわじわと全面に行き渡りつつはある。
さすがパテジソンシートの威力はすごい。
さて、そういうわけで、昨年からの実験と、そのある程度の成果をもって今回2枚追加シートの計3枚が
問題の箇所に無事敷かれました。
今年は雪が少ないので、助かっているのだけれど、
パテジソンシートを使ったロードヒーティングパネルの実験はあまり進まない。
2月なので、もうひと雪ありそうだが、とりあえずこの状態で、様子を見るつもり。
オフシーズンはパネルの軽さを生かしてひょいひょいとまとめて、
ドカシーにでも包んでまとめた上で、重石をして片付けとくつもり。
コンパネだったらこうは行かなかっただろうな。
リンク:
・パテジソンさん
・荒川設備さん
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