S3の1/10 、1円/1GB月 のGlacier だが、実際に試してみると、思わぬ落とし穴もあるようだ。
先日試しに、過去十数年分のJPEG写真 15GBを、どーんとそのままS3へ送って、自動で即時 Glacier へアーカイブされるようにしてみたのだが、まだ数日しか経っていない事もあり、確かに、今のところストレージ費用は、$0.18 = 16.2円程度なのだが、問題は、リクエスト数の方、JPEG写真をそのままアーカイブもせずに、S3に上げたので、ファイル1つずつのリクエストになっているらしく(まぁ、考えてみれば当たり前かな)、この分が何と$3.64=320円くらいかかっている。最初に一気にアップロードしたから仕方ないけど、こんなにかかるんだったら、イベント毎にZIPしてアップロードすれば良かったと思う。 この金額は、当然取り出しの時にもかかるはずなので、頻繁に取り出す場合には常に二重にかかってくることになる。
あと、AWSのコンソールのバグだと思うが、何故か2010年の写真のフォルダだけ、AWSのWebコンソールで見れない。「The XML for Routing Rules is invalid」なる不明なエラーが出て、フォルダの中身の一覧が表示されないのだ。つまり、これじゃS3経由じゃ取り出せないってことだ。じゃぁ、Glacierのコンソールでは見れるのか?というと、S3のものをアーカイブしたものは、全く表示されない。聞くところによると、Glacier はファイル名もタイムスタンプも保存されないみたいなので、GlacierのIDみたいなものと、保存したファイル情報とを、クライアント側が覚えておかなければいけないらしいので、S3経由の場合は、S3の方でそれを管理しておいてくれるのだろう。その分の価格は何もしなければ発生しないようだが、結局S3とGlacierの間で行ったり来たりさせる度に、いろんな形でかかってくるコストに含まれているのだろうね。
そんなわけで、Glacier は、うまく使えば安価なストレージだし、S3経由で使えば、それなりに便利なものだと思うが、普通の人が直接S3使うのが難しいところにDropBoxという便利なサービスが成立しているように、気安く使えるようになるためには、Glacier を使った便利なサービスが出てくるのを待ったほうがよさそうだ。過去の写真を安全に保管しておきたい、普段はそれを見たいわけではなく、保管一方通行でOKで、HDDクラッシュした時などの保険として置いておきたいだけで、いざとなったら一ヶ月くらいかかろうとも、復活してくれれば良いなんて需要は結構あると思うので、DropBoxあたりにそういうオプションがいずれ追加されないか期待することにして、今回の実験は、あと一ヶ月くらい様子を見て打ち切り予定。