先日のトルコ旅行で、いろいろ感じることがありました。
輸入製品やブランド品は日本より高いのに、現地のサービスやお土産は日本より安いものも多い。
たとえば、
日本で同じものを買ったり利用したりすれば、もっと高くつきます。
一見「トルコの方が安い」と思えるのですが、背景には強烈なインフレがあり、現地の人にとっては生活が大変だと聞きました。
そんな体験を通じて強く思ったのは、円安・円高という為替の話以上に、日本自体が長いデフレで世界から取り残されてきた現実です。
気づけば「物価も収入も安い国」になってしまっていました。
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もし日本が内向きに鎖国のような暮らし方を選ぶなら、それでもいいのかもしれません。
でもグローバルに人やお金が動く時代には、そういう選択肢では国が弱ってしまう気がします。
必要なのは、適度なインフレと、それに見合った賃金上昇を伴う循環。
為替は1ドル=135〜150円くらいが妥当なバランスではないでしょうか。
その範囲で3〜4%程度のインフレを維持し、毎年のベースアップを実現できるようにする。
企業が増収分を内部留保に溜め込むだけでなく、給与や設備投資に回せるような仕組みも必要になるでしょう。
もちろん、こうした循環が回り出すまでにはタイムラグがあります。
先に物価が上がって、賃金は後からついてくる。
その間は、どうしても「円安+インフレのダブルパンチ」で生活が苦しくなります。
だからこそ短期的には、ガソリン税や消費税といった身近な部分で負担を和らげつつ、国全体で流れを切らさないことが大事だと思います。
同時に、国民それぞれの生活防衛も欠かせません。
預金だけではインフレに弱く、仮に3%のインフレが続けば20年で価値は半分になってしまいます。
100 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 x 0.97 = 54.38
NISAなどをきっかけに、小さくても投資を始めたり、株式や不動産、ゴールドのようにインフレに強い資産を少しずつ持っていくこと。
そうした工夫が、これからの時代の安心につながっていくように思います。
実際、今回訪れたトルコでは、現地の人々が「収入が入るとすぐにユーロに替える」と話していました。
これは金融商品というより、身近な生活防衛策です。自国通貨の価値が目減りしていく中で、少しでも価値を守るための習慣なのです。
私たちにとっても、「円だけに頼らない」という意識は大切になっていくでしょう。
ちょうど日本でも新しい首相が誕生しようとしています。
今回の総裁選では誰がなっても期待は薄いという声も多かったですが、財務省寄りといわれた小泉氏ではなく、高市氏になったのは、案外悪くない選択かもしれません。
私は基本的に自民党一強の体制には慎重な立場ですが、今は過半数割れで野党との調整が必要な状況。
その中での高市政権なら、独断的に見えながらも暴走は抑えられる可能性があります。
反発や批判の声もあるけれど、経済的な背景を踏まえて冷静に見れば、むしろ日本が変わるきっかけになるかもしれない。
そんなふうに、私は一定の期待感を持っています。
トルコで感じた「物価と生活のギャップ」は、日本のこれからを考えるきっかけになりました。
短期的には痛みもあるかもしれませんが、長期的には物価と賃金の好循環をつくり、世界水準に追いつくことが大切だと思います。
批判や賛成を一色で決めるのではなく、冷静に見極めつつ、自分自身も備えていく。
それが、今の日本にとって一番前向きな姿勢なのではないでしょうか。