先日、東京本社へ出張へ行ったら、社長がなにやらおもしろそうな事をしていた。
オフィスで良い音で音楽を鳴らそうという事でいろいろとその方法を探っているらしいのだが、iTunes で音楽を購入しているのに、WinAmp で鳴らしているのだ。
どういうわけか訪ねてみたところ、Windwosではミキサーが入るので、音が悪い為、ASIO経由でUSB外付けのONKYO WAVIO USBデジタルオーディオプロセッサー SE-U55SXというオーディオプロセッサーを経由してプリメインアンプ、スピーカーという構成にしているとの事。
iTunesは、ASIOが使えないので、WinAmpを使って(ちょっと怪しげな方法を加えて)鳴らしているとの事だった。
確かにPCのオンボードサウンドカードは音が悪いとは聞くが、そこまで金をかけるほどのものなのかと思ってしまったのだが、実際その環境で、iTunesの音とWinAmpの音(要するに、Windowsのサウンドミキサー経由かASIO直接かの比較)を、全く同じ圧縮音源で聴き比べさせてもらったところ、まったく別次元の音だったのには驚いた。
難しいことはわからないが、音の解像度が全く違うのだ。ASIO経由に比べたら、iTunesの音は、まるでラジカセであった。
これには流石にショックを受けて、出張から戻って、出張でいただいた沢山の宿題をこなしつつ、どうしたものかと考えて、行き着いたのが。
Apple Airport Express
今は、AirMac Expressとも呼ぶらしいが、普段は出張時の携帯無線LANアクセスポイントとして使っているもので、アクセスポイントにもなるし、クライアントにもなるし、ネットワーク経由でiTunesの再生もでき、おまけにUSBでプリントサーバーとしても利用できる(利用したこと無いが)、というものすごいコンセプトに飛びついて買ったものだ。 設定などが非常に分かりづらいのが難点だが、うまく設定できてしまえば、常に安定して便利に使える。
この、手のひらに載るすばらしい機械の AirTunesという、iTunesの音を再生できる機能を使うと、ASIOなんて使わなくても、とっても良い音で再生できるのだということを知ったので、早速試してみた。
最初ノートPCで接続を試したところあっさりつながり再生できた(前にもやっているので当たり前だが)、次に母艦の WIndows7 x64 デスクトップで再生しようとしたところ、Expressは見つかるものの、再生時にエラー。 –3256 というエラー番号を手がかりにGoogleさんにお世話になると、まずファームをアップデートせよとの事。そこで、最新のファームを入手してアップデート。ついでにPC用のクライアントソフトも最新のを入れた。(使わないんだけどね)
しかし、やはり再生エラー。 どうもネットワークで止められているようなので、まずはWindows FWをOFFにしたが効果無し。そういえば、ESET Smart Security 4 をインストールしていたということを思いだしてPFWをカットしたら再生できた。 そこでPFWの設定をデフォルトのオートから、対話モードに切り替えて、再度ONにして、あとはアプリに要求されるまま許可をしていったら、iTunesの許可願いが出てきたので、許可してあげて無事設定完了。
さて、音質はというと、正直劇的な改善は無かった。 ただ、iTunesで音量をコントロールできないようにするというチェックボックスをONにしたところ、すっきりした印象。
どうもネットで調べたところでは、この方法で良い音質で聴くには Expressのアナログ出力ではなく、光出力を使うのが良いらしい。
というわけで、光入力を持つアンプかスピーカーが欲しくなってきた。
私のPCのスピーカーは、EDIROL のMA-10(だったかな)なので、アナログ入力しかないのだ。
で、思ったのだが、社長のPCで、iTunesとWinAmpを聴き比べてあれだけはっきりと違いを感じたのは、その後の、アンプやスピーカーがその違いを表現できるだけの性能であった事も大きく、PC用スピーカー程度では、たいして違いはわからないのかもしれない。