「NISAは長期保有が基本」「若い人向け」——そんな常識に、少し違和感を覚えたことはありませんか?
私は60代を過ぎてから、資産運用に本格的に向き合うようになりましたが、実はNISAこそ高齢者にも有効に使える制度なのではないかと考えるようになりました。
この記事では、高齢者が「投機にならず、時間に依存せず、それでもNISAの非課税メリットを最大化する方法」を、私自身の実体験も交えながらご紹介します。
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NISAは2024年から制度が大幅に改正され、非課税期間が無期限になりました。
これを受けて「20年・30年単位で保有するのが王道」と言われることが増えましたが、これはあくまで若い人にとっての最適解です。
私たち高齢者にとっては、20年先を見据えるのは現実的ではないこともあります。
そうなると、「NISA枠をどう使い切るか」がテーマになってきます。
私は、かつて特定口座で大きな含み損を抱えていたインド株を、損切りしてNISA口座で買い直すという選択をしました。
結果として、
・特定口座では損失確定 → 損益通算で節税効果
・NISAでは回復による含み益 → 非課税で保有
という、理屈としても資産としても納得のいく形ができあがりました。
ここで気づいたのは、NISA口座での利益確定=“非課税メリットの完成”だということ。
つまり、NISAは「持ち続けるための場所」ではなく、「非課税で利益を確定させるための場所」として捉えることができるのです。
高齢者にとって大事なのは、「資産を減らさないこと」と「必要な時に取り崩せること」。
その観点から見ても、NISAで得た利益を、
・一部売却して現金化
・一部を金(ゴールド)などの安全資産へシフト
というのは非常に理にかなった選択です。
私の場合も、江守哲さんのYouTubeを参考にして、ゴールドをある程度持つようにしていました。
そのおかげで、株式市場が一時的に大きく下落したときでも、ゴールドがポートフォリオの支えになってくれました。
NISAで利益を確保し、それを特定口座に移してゴールドや現金にリバランスすることで、資産全体の安定性が増します。
NISAは確かに非課税という大きな魅力がありますが、「売ってはいけない場所」ではありません。
むしろ、高齢者にとっては以下のような考え方が現実的です:
・非課税で利益を確定したら、目的別に再配分(生活資金、医療費、旅行、孫への援助など)
・将来のための安全資産(ゴールド・短期債・現金)への段階的移行
・税金を払っても、必要な場面で取り崩せる安心感を得ることが重要
投資は自己責任、とはよく言われます。
でも、情報が若年層向けに偏っている中で、高齢者なりの戦略がもっと共有されてもいいのではと感じています。
私が実感しているのは、
・NISAを「持ち続けるもの」と思い込まないこと
・非課税で利益を得るための“道具”として使い切ること
・売却してもOK。むしろ次のステップに進むために売るのが大事
NISAをうまく使えば、高齢者でも、投機的にならず、安心しながら資産を整えていける。
そうした一つの選択肢として、この記事が誰かの役に立てば嬉しいです。