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長期積み立て投資の意味と平均購入価格

自分のコア投資がS&P500だとして、その長期積み立て投資の本当の意味は何か、なぜ長期が良いのか、なぜ積み立てが良いのかを考えた場合、「安心感がある」とか「安い時にも怯まず、たんたんと買える」というような事が良く言われる理由になると思うが、その本当の意味は、そこにはなくて、実は、「平均購入価格を下げられるから」なのだと思う。

長期で右肩上がりなのだから、できるだけ早い段階で一括で入れてしまえば、計算上はそれが一番平均購入価格が低いと言えるのだけど、短期的に見ればかなりの幅で上下に価格が変動するので、「いつ買うか」が重要になる。それでも、一生分を一括で買えるなら、いつでも良いのかもしれないが、そんな大金を持っている人でもなければ、仕事して稼ぎながら買いましていくのが普通なので、そういうわけにもいかない。収入があった時に、相場の状況を考えずにできるだけ早く入金するというタイプの人も居て、それはそれで正解だけど、そこまで割り切れる人もなかなか居ないので、毎月定期的に(強制的に)積み立てをするというのが、多くの人にとって良い方法ということになる。

で、これは何をやっているかということだが、結局のところ、平均購入価格をいかに低く抑えるかという事にほかならないのだと思う。含み益というのは、つまるところ、(現在株価-平均購入価格) x 口数 なわけで、平均購入価格が下がれば下がるほど、含み益が大きくなるし、株の下落時の耐性(マイナスになるまでの余裕)が高まるということになる。

ドルコスト平均法というのも、結局のところ、長期積み立て投資を行う中で、相場の変動や自分の状況、感情に振り回されることなく、無理に予想を立てることなく、平均購入価格をできるだけ低く抑えるための方法だと考えられる。

だったら、株価が下がった時だけ買えばよいのでは?という話になるが、株価が常に横ばいであればよいのだが、長期で上がっていくし、時には大きく上がるかもしれない状況では、理屈の上では、「今」が一番安い時だと考えるしか無いのだ。未来がわかっていれば、◯月◯日に株価が下がるからその時に買うなんて事ができるが、それは誰にもわからないので、長い目で見たら、今一番安いという前提に立つしか無いのだ。

では、毎月の積み立てとは別に現金を持っておいて、下がった時に買い増せばよいのでは?と考えるが、それは、もし、その現金を毎月の積み立て投資に加えていれば良かったという事になりかねない。とはいえ、下がった時に、一時的に生活防衛資金をつぎ込むなんて事をしたら、万が一そのまま下がり続けたらどうするの?という恐怖に怯えることになるから、それも無理だ。

正解かどうかはわからないし、たぶん不正解な気もするが、今自分が思いつく方法としては、ここだというタイミングがあって確信があるならば、コア投資とは別にしている、サテライト投資の分を、含み益であろうと含み損であろうと、スパッと全部売ってしまって、その分で、コアを買い増すという作戦である。最終的な目的がコア投資を太く強くする事にあるのであれば、一旦サテライト分を整理してしまって、コアの平均購入価格を下げる事に注ぎ込んでしまうというわけだ。

ゴールドやインド株まで整理してしまうかどうかは考えものだが、ゴールドは、現金の一時退避場所だと考えているなら、一旦売ってしまっても良いのかもしれない。サテライトの株が伸びていたりすると残念という気持ちはあるかもしれないが、所詮サテライトは短期・中期でいつかは整理するのであって、コアの強化を優先したほうが良いとも思える。

サテライトを整理するべきかどうかは、相場の状況次第でメリットもデメリットもあるが、普通の人に、サテライトを持ち続けるのが良いか、コアにそれを回すのが良いのかを判断するのも、また難しいという事もあります。もちろん、そのタイミングが、サテライトを整理してでもコアを買い増すタイミングなのかどうかということも同じくらい判断が難しいのですが、少なくとも、「平均購入価格を下げる」という目的であれば、何らかの予想をすることなく、その時点での株価と平均購入価格との比較で数式で計算できるので、今後サテライトの株価がどうなるのかという予想に比べれば、判断し易いのではないかと思います。迷って動けずという状況になるなら、シンプルなルールで行動してしまったほうが良いという事も考えられます。
とはいえ、単純計算で株価が平均購入価格より低いと判断できるのは、相当な暴落が起きた時だけなので、結局は絵に書いた餅かもしれません。となると、株価が何%下落したら行動を起こすといった基準で行動するしかなく、それは結果的には、一時的に平均購入価格を上げる事になってしまいますね。

いろいろなやり方があると思うが、「平均購入価格を下げる」という目的に合致していれば、大きく間違うことは無いような気がする。

はじめ

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