焚き火が好きで、キャンプでも自宅でも機会を作っては楽しんでいます。
私は、焚き火では調理はしません。暖もそれほどには期待していません。純粋に炎を楽しみ、それが醸し出す雰囲気に酔いしれること、それによって、料理もお酒も会話もおいしくなるということ。それが焚き火の最大の魅力だと感じています。
しかし、最近、薪ストーブが気になって仕方がありませんでした。焚き火台で焚き火するのとあまり変わりが無いように見えるのですが、焚き火から薪ストーブへの移行は、多くのキャンパーが遂げていて、ある種正常進化のようにも思えます。
いったい何が違うのでしょうか? 特に調理と暖房の要素を除外した場合、薪ストーブにメリットはあるのでしょうか?
最初に思いつく違いは、焚き火はオープンで、薪ストーブはクローズということ。一見、オープンの方が多くの酸素を使って、ダイナミックに燃えそうですが、薪ストーブには煙突というものがあります。煙突は、煙突効果によって強い上昇気流を生み出します。二次燃焼機能のある焚き火台よりも強いです。煙突効果を生み出すためには、排気(熱気)を煙突に集中する必要があります。つまりクローズでなければならないのです。そう考えると、最大の違いは、オープンかクローズかではなく、煙突があるか無いかという事になりそうです。
そこに思い至り、ふと、暖炉はどうなのか?という疑問が湧いてきました。クローズの暖炉もありますが、オープンのものも多いですよね。しかも室内で使うものにもオープンのものが多いです。煙突があり、煙は室内に充満することなく、多くが煙突から排出されます。煙突の中にファンがある、というわけでも無いのに、なぜでしょうか? 実は今でもよくわからないのですが、オープンでも煙突があって煙が外に排出され、そのために燃焼効率も良い暖炉というものがあるということは事実です。
その暖炉、屋内でも使えるのであれば、屋外でもより安全に使えるのではないかと思い、屋外用暖炉というものを検索してみたところ、たしかにそういうものが存在していました。ただし、私が見つけたものは、クローズタイプで、煙突も、煙突効果がありそうな形状はしているものの、あの「煙突」はついていません。
同時に、最近は、薪ストーブでも、横面がガラスになっていて、炎を楽しめるものがあって、人気が出ているということも知りました。
そんなこんなで、頭の中がぐちゃぐちゃしてきたのですが、一つの野蛮な考えが浮かびました。
「焚き火台に煙突をつけちゃえ!」
です。しかし、煙突を焚き火台の上に浮かばせるわけにはいきませんし、浮かばせたところで煙突効果が得られるのか疑問です。ですが、焚き火台の上に煙突が浮かんでいる絵を思い描いたところ、なんだかビザ窯ににているような気がしました。
そんなこんなで、最終的に、焚き火台+ピザ窯的な発想から、焚き火台を耐熱レンガで囲んで、上に煙突を付けるという方法に至りました。あとは、コストですね。もし、ガラス窓付きの薪ストーブの方が安ければ、そちらを買ってしまうという手もあります。更に分解してコンパクトになるようなものであれば、キャンプに持っていくこともできますしね。
こういった薪ストーブは、結構高くて、私が見つけたなかで、良さそうだったのは、Pomolyと、D&R(DANCHEL OUTDOOR)の2つ。Pomolyのはチタンで非常に軽量なので魅力的ですが、高い! D&Rはステンレスで Pomolyの倍くらいの重さですが、値段は半額程度。それでも、2.5万円はします。キャンプに持っていけるのは魅力ですが、我が家はテント泊ではなく、最初に書いたように、調理も暖もあまり期待していないので、キャンプでは焚き火台でも十分な気もします。自宅だけで使う(持ち運ばない)と割り切れば、コストが安い方が良く、最終的に、耐熱レンガになりました。
耐熱レンガ42個(7個 x 6 段)+ 天板用レンガ2個で、11,276円(コメリ)也。これなら薪ストーブより断然安いです。煙突は直管が1,000円くらいです。ロストルですが、適当な網でも良いのですが、もともとの発想が焚き火台に煙突ですから、持っていたコールマンのファイアーディスクを使います。
煙突をどうやって立てるかが最後まで難問でしたが、最終的に、一本125円のクロムのながーいボルト2本(別に60cm以上ある鉄棒ならなんでもよかったのですが、これが一番安かった)を渡してそれに、レンガと煙突を載せル構造としました。その為に、(実際にレンガを買ってから試行錯誤していたので)、6段構成が5段になってしまいましたが….
そして、今日初火入れをしてみましたが、燃え始めや、火が弱くなった時に煙が全面から出てくるものの、燃えているときは、煙突効果で、かなり快適でした。燃焼も良く、DCM焚き火台だと普段薪2-3本といったところですが、今日は、3倍くらい燃やしました。ファイアーディスクは風にあまり強くないのですが、レンガで囲ったことで、多少の風でも大丈夫。むしろある程度風があるほうがよく燃えます。更に、レンガが熱を蓄えるので、焚き火台にくらべてかなり暖かいです。
ここへ来て、ようやく、「薪ストーブって良いものだなぁ」ということがわかりました。今回は単に焚き火台をレンガで囲って煙突をつけただけですが、やはりやってみてわかることってありますよね。今日はめちゃくちゃ酒が旨かったです。