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初胃カメラ



IMG_4071, originally uploaded by hajimesan.

生まれて初めての胃カメラに挑戦してきた。
小心者な上、息苦しいのが大変苦手なので、のどにあーんな太いものを突っ込まれて胃の中を覗きまくられるのなんて、考えただけでもぞっとしてしまい、幸い胃カメラを飲まなければならないような病気にもなった事がなく、健康診断はずっと、バリウム一筋で通してきた。
そのバリウムも、40過ぎてどうしても飲まなければ駄目だというので仕方なしに飲んでいたくらいだ。
胃カメラは辛いとか苦しいとかいう話を聞くが、そんな話聞くまでもなく胃カメラなんて嫌だ!
ところが、一昨年の健康診断で、胃に何かあるので再検査が必要だと言われてしまった。
再検査というのは同じ検査をもう一回やるのではなくて、要はバリウムだと見づらいから
胃カメラで直接見たいということなのだ。
嫌だなぁ、それに再検査なんてする暇ないし、どうしようかと思っていたら1年経ってしまって
昨年の健康診断となった。その結果は特に異常なし。
なーんだ再検査なんて必要無かったじゃん。これからも絶対に胃カメラなんて飲まないぞ
と思いつつ、1年を過ごした。
そして、今年の健康診断、「胃の検査はどうされますか?」の問いに、どういうわけか
「今年は胃カメラにしてみます」と答えている自分が…
いったいどういう心境だったのか、今となっては全く思い出せないのだが、
まったく、魔がさしたとしか思えない。なんとおろかな事を言ってしまったものだろう。
しかし、今更撤回できないし、やばいなぁと思いつつ、やはり忙しく仕事していたら、
健康診断前日。
問診票を記入していて、
「喉の麻酔と胃の動きを抑える注射をしますが、更に楽に検査を受けていただく為に、
 ご希望により、軽い静脈麻酔をすることもできますけど、どうしますか?」
という問いに、さて、どうするか迷ってしまった。
もちろん楽に受けられるならそれに超した事がないわけだが、「静脈麻酔」という
響きも、かなり怖いものがある。 二度と意識が戻らなかったらどうしようとか考えちゃうわけだ。
実は、端から胃カメラは辛いと思っていたので、どんな風に辛いとかはあまり
考えたことが無くて、無知である自分に気づいて、普段はあまり参考にしない2chの
情報までもGoogleで検索しつつ調べてみた。
ヒットしたものは、「辛い」「苦しい」「二度とやらない」のオンパレード。
では、静脈麻酔が良いのかといえば、「麻酔は危険」とか書いてあるし、
そこまでしなくても、痛み止め?で十分とか。鼻から入れる方法があって、それだと
凄く楽だとか書いてある。
でも、私が受ける病院は、「静脈麻酔」しか無いし、鼻から入れるなんて選択肢も無い。
散々悩んだあげく、気が弱い私は「静脈麻酔」をしてもらうことにした。
やっぱり苦しいのは嫌なのだ。
というわけで、当日。
身長、体重、視力、胸部X線など、いつものようにサクッとこなしてから、内科検診。
ここでようやく医者と呼べそうな人とマンツーマンでお話できるのだが、
「胃カメラの同意書」なるものを書かされる事になった。
そ、そんな話聞いていない…と思ったが、小心者故、「わかりました」と答えるしかなかった。
その同意書の内容というと、いろいろ書いてあるが、要するに
「胃カメラの検査は100%安全ではなく、1万2千人に一人の割合で穴が開いたり
 血が出たりといった医療ミス?が起きる可能性があり、また20万人に一人は
 死んじゃうけど、もしそんな事になってしまっても、いいよねぇ?」
って内容。
「いいよねぇ?」って言われても、やっぱり、胃カメラで死んじゃうのは嫌だ。
だいたい、どこも悪く無いのに、もしかしたら悪いかも知れないと言われて胃カメラ
飲んで、それが原因で怪我したり入院したり、ましては死ぬのなんて理不尽でしょ?
そんなの同意できるわけ無いじゃん!と心の中では叫んでいたが、
私の手は勝手にその書類にサインしていた。
「あぁ俺は今日胃カメラ飲んで死ぬかもしれないんだなぁ」と思いつつ、
内科検診のドアを開けて外に出たら、一緒に検診を受けていたみかこさんが
順番待ちで座っていた。
「どう?」って聞かれて、「死ぬかも知れないけど良いか?」って聞かれたと
答えたら、笑っていた。
自分はバリウムだから安全なのかもしれないが、
旦那が死ぬかも知れないと言っているのに、よく笑っていられるものだ。(-_-)
その後、採血したり、心電図とったり、エコー検査したりと、要するに
死ぬかもしれない胃カメラ以外の検査を先に済ませておいてから、
最後に胃カメラ(内視鏡検査というらしい)の検査だ。
麻酔なんてされたらどうなってしまうかわからないし、あまりの辛さに
恥ずかしい事になってはいけないと、とりあえずトイレへ。
いや、単なる時間稼ぎだったかもしれないが….
出せるものはすべて出して、もう行かなければならないと決心し、
胃カメラの検診へ。
「なんてこったい」と思いながら廊下を歩いていたら、エコー検査待ちでベンチに
座っていた、みかこさんに声をかけられた。
目の前に居る自分の妻にも気づかないとは、恐るべき胃カメラの恐怖。
重たい足を引きずるようにして、胃カメラの検査室に到着。
まずは、ちょっとどろっとした水の様なものをコップ一杯飲ませられる。
この水の話は2chでも無かった。この病院独特なのだろうか?
胃の中を綺麗にする薬とのこと。なんで薬飲むと胃の中が綺麗になるのかが???
もしかしたら、これは下剤か何かで、トイレへ行ってきた事が無駄だったか?
とも思ったが、特に何も起きない。
それに、あんまり不味くない。ちょっと美味しいとも言えなくもない。
さて、その水を飲んで安心していたら、血圧を測ってくれた。
こんな心境じゃさぞ高いだろうと思ったが、以外と普通。
そうか、水を飲ませたのは落ち着かせる為もあったんだな。まんまと敵の作戦にはまってしまった。
ここで血圧が高ければ、胃カメラ中止になったかもしれないのに….
で、血圧のあとは、喉の麻酔。 「おっいよいよ来たな」 2chでもこの情報はあった。
“すっごい不味い”とか、”すっごい苦い” 上に、それを喉のところに溜めておかないとならないそうだ。
「4分間喉に溜めて置いてください…..と言っても辛いと思いますので、辛かったら右手の
 コップにはき出しても構いません。」と看護婦さん。
おっと、それで、最初の水を飲んだ後に空の紙コップを捨てないで持っていてねといわれたのか…
システマチックだなぁと、感心しつつ、口を開けると、注射器でその薬(麻酔薬?)を喉へ「シュッ」
と入れられてしまった。
「う、不味い!」と思ったが、良く味わってみると「美味い….」
何か良くわからないが美味しい味が付いているのだ。
「これなら行ける」と一瞬思ったが、よく考えたら、これは胃カメラじゃなくて、まだその準備段階
なのだ。
しかし、喉に溜めておくのはやっぱり結構シンドイ。苦しいのが苦手な私はとってもこういのが嫌だ。
おまけに、じいさんが、やはり胃カメラを受けるのにその部屋に入ってきて、なんだか
おかしげなこと(本人はまじめに喋っているのだろうが)を看護婦さんに言って笑いを
こらえなければならないし、どんなじいさんなのか顔見たくても上向いてないと薬がこぼれちゃうし
気を抜くと、薬のみこんじゃいそうだしで、何度も、「もうコップに出しちゃえ」って思った。
しかし、2ch情報によれば、この喉の麻酔が勝負らしい。
これを喉の奥の方へうまく留めて置ければ、喉の感覚が麻痺して、検査が楽になるらしいのだ。
というわけで、必死に4分間頑張った。看護婦さんが「もういいですよぉ」って言ってくれるまで
死ぬ気で喉に留めていたのだ。偉いぞ>自分
どうせ麻酔されるから一緒だと思わなかった分けでもないが、麻酔されている自分だって
やっぱり痛かったらいやだろうという親心ってものだ。
ちなみに、これ飲んじゃったら、全身麻酔ならぬ、内臓麻酔とかになるのだろうか?
喉の麻酔が終わると、肩に筋肉注射だ。これはバリウムでも同じで、
たいした注射には見えないのだが、めっちゃくちゃ痛い!
「痛~い」と言ったら、「そう痛いですよね」と看護婦さんが撫でてくれた。
頭じゃなくて、痛いところをね。
その後、おそらく喉の麻酔が効いてくるまで待つ必要があるのだろう、
その部屋を出たところの入り口、内視鏡検査室の前の廊下のパイプチェアに
しばらく座らされた。 死刑台に向かう前の死刑囚の様な気持ちでもあり、
あるいは、いたずらをして廊下に出されてしまった生徒のようでもある。
しばらく待っていると、いよいよ、私の名前が呼ばれた。
「ふぁ~い」と、おかしげな返事しかできなかったのは、恐怖の為ではなく
喉の麻酔で、舌が痺れているからなのだ。
検査室に入ってベッドに寝かされ、眼鏡をはずされ、「抜ける歯は無いか?」と聞かれた。
「にゃい」と答えた。歯が抜けるほど凄いことされるのか?
看護婦さんは、タオルケットを優しくかけてくれてから、静脈麻酔の注射をしてくれた。
「はーいだんだん意識がもうろうとしてきますよ~」
というのだが、全くもうろうとしない。 2ch情報では、ここで、チクッとされた瞬間に
寝てしまって、記憶が無いという人も居るというのに….
もしかして、私には麻酔は効かないのか?となると、やばい、絶対にやばい。
と思っていたら、麻酔が効いたかどうかを確認する風でもなく、マウスピースを
咥えさせられた。もう逃げられない….あぁ、このまま麻酔も効かず地獄の検査を
受けることになるのか。そして、20万人に一人だったら、私の人生もここで終わりだ。
あぁ、廊下でみかこさんに呼び止められた時に、「あとの事は頼む」とちゃんと
伝えておけば良かった….と考えていたら、出た!黒いチューブ。先端がピカピカと
綺麗にまるで虹のように輝いている。それを青い診察服を着た医者が私の口に
押し込んでいく。色彩的には美しい気もする….
「ゲホッ」「ウグッ」「オエッ」と2chでも沢山登場する台詞?を吐いている私を
「力を抜いてください」と看護婦さんが後ろからささえる。
とうとう始まったかと思ったが、数秒で「あれっ?」と思うほど楽になった。
どうやら苦しいのはチューブが喉を移動する時だけなのだとわかった。
一体どんな感じなのだろうと、口から黒いチューブを入れられている自分を想像すると
おかしく思った。 そんな余裕さえ生まれていた。
しばらくすると、じゅるじゅると音がして、目の前の透明なチューブの中を何かが
流れていく。 そうだ。これが最初に飲まされた水なんだな。この水と一緒に私の
胃の中のものが吸い出されるので、胃が綺麗になるわけか。
「う、汚ねぇ」と思う人もいるかもしれないが、前日の昼食をおかゆにして、その後も
何も食べず、万全の体制で臨んだ私の胃の中はとても綺麗だったと思われ、
チューブの中を流れていたのは、さっき飲んだ水だけだった。
じゅるじゅる音がしばらく続いたあと、いよいよ検査が始まったらしく、
なんだか胃の中に空気を入れられるような感覚があったりしたが、
どうも、自覚症状は無いが、麻酔が効いているようで、感覚はあるが、
痛くも苦しくも無かった。
このあとサプライズがあるのかと思ったが、特に何もなく、黒いチューブが抜かれ、
「はい。検査終了しました」と言われた。約3分くらいだったろうか…
とにかく、私は死ななかったし、喉から血が出ているといったこともなかった。
しかし、口の周りは麻酔が効いていて、よだれがダラダラだ。
「自分で拭いてください」とティッシュを箱ごと渡され、自分のよだれを拭きまくる。
ん~情けない光景だ。
そのまま自分で立ち上がって、看護婦さんに案内されるまま休息室へ。
麻酔を受けた小心者は、この部屋で1時間反省しなければならないのだ。
部屋には既に何人かの小心者が居て、ぐっすり眠っている人も居る。
おぉ、麻酔で寝てしまう人も本当にいるんだなと、そのときは思ったが、
単に眠かっただけなのかも。だって、何にもやることが無いんだもの。
私はといえば、自分がこの試練を乗り越えたという感動で寝付くことはできず
雑誌を読みながら1時間を過ごしたが、自分が生きているという感動に
くらべたら、週刊誌の芸能ネタのなんとつまらないことか。
1時間が経ち、とにかく健康診断(日帰り人間ドック)は終了。
着替えて受付にもどると、みかこさんが待っていた。
いつもは婦人科検診の方が時間がかかるので、私が1時間弱待つことになるのだが
今日は、みかこさんの方が早く終わって、30分ほど待たせてしまったようだ。
「あなた、生きていたのね。良かったぁ、私もう心配で心配で….」
という言葉は期待もしていなかったが、やはり出てこなかった。
麻酔を受けた小心者は車にも乗ってはならん!という事で、その後は、
1日みかこさんの運転。これはある意味、胃カメラよりも死ぬ確率が高いので怖い。
もう一度麻酔をしてもらいたいと思った。
まずは、とにかく腹が減っていたので、いつものラーメン屋へ。
しかし、なんと木曜定休日。ついてないなぁと思ったら、隣のユニクロが回転寿司屋に
変わっていた。しかも、「本日オープン」との事。
オープンのサービスも一切ないし、味もとても美味しいとは言えないお店で
客の入りも、オープン初日とは思えないほどだったが、タッチパネルで注文できる
最新設備を試しながら、食べてきた。
空腹だったこともあるが、胃カメラをクリアした喜びで、そのたいしてうまくもない寿司を
結構たらふく食べてしまった。
みかこさんはと言えば、バリウムと戦っていた。あれは検査の時は良いけど、
あとが辛いんだよねぇ…
ちなみに、私はバリウム全然OKな体質なのでなんともないんだけどね。
というわけで、そこの支払いは当然の様に私が払う事になった。
そのあと、札幌で2~3用事を済ませて、帰宅することに。
途中小樽で、ケンタッキーが食べたくなり、みかこさんに提案。
ケンタッキーを購入し、今週末に行く予定の小樽マリーナの下見をして帰宅した。
めでたしめでたし。
さて、ここで問題です。
私は、来年、胃カメラでしょうか?バリウムでしょうか?
答えはまだ自分でもわかりません。検査の前後を考えると胃カメラが楽です。
でも、もしかしたら死んじゃうかもしれないのは嫌です。
やっぱり、バリウムがいいかなぁ。

はじめ

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はじめ

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