もう20年以上もPCを操作していて、最近ノートPCを頻繁に使うようになった妻からの質問で、一番驚いたのがこれ。
「ファイルをダウンロードしたはずなのに、消えちゃった? どうして?」
考えられる選択肢は2つ、
1の方は、ブラウザがエラーを出すので、ある1つのパターンを除いて、気づくことが多い。ダウンロードには大きく2つあって、一つは、「ダウンロード」みたいに書かれたリンクやボタンをクリックしてダウンロードするもの。もう一つは、画像のダウンロード(いわゆる右クリックダウンロード)。失敗した事が分かりづらいのは、画像のダウンロードの方で、これについては、別の記事にしますので、そのわかりづらい失敗もそちらで。実は、妻が迷子になってしまっていたのも画像ダウンロードの方です。
今回のお話は、2の方で、ダウンロードには成功している場合。ダウンロードしたファイルは、本当にPCの中にあるのだけれども、それがどこにあるのかわからなくなってしまうケースです。
これは、スキル不足というよりファイルシステムの問題とうことが大きいのだけれども、改めて見れば、今の Windows は、「デスクトップ」とか「ドキュメント」とかあたかもそういう場所がファイルシステムとは別にあるようなフォルダが多数存在する。「ゴミ箱」などのような、ファイルシステム上の普通のフォルダとはちょっと違うものも混じっているし、そこに加えて、DropBoxだの GoogleDrive だの、Evernote のフォルダだのと、混乱させるようなものが多数存在するので、混乱するのも仕方ないとも言えます。
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フォルダとは本来ディレクトリのメタファーで….とか、昔の CP/M というOSには、ディレクトリ階層が無かったとか、MS-DOS はそこがすごかったとか言ってもそっぽむかれるだけなので、ここは、コンピュータの中の文章や画像は、例外なく全て、ファイルという形で保存されている。そのファイルがとっても沢山あるので、ごちゃっと一つの家(PC) の中にあったら、探すのが大変なので、いくつか使用目的ごとにまとめて小さな箱に入れておく。その小さな箱もまた沢山になってしまうので、中くらいの箱に分類して入れる。中くらいの箱には小さな箱も入れられるけど、直接小さな箱に入っていないファイルを入れる事もできる。その中くらいの箱も沢山になるとやっぱりごちゃごちゃするので、もう少し大きい箱に入れる。そうやって、箱の中に小さい箱やら、ファイルやらが入った全体が一つの部屋の中にある。その部屋が、「Cドライブ」とか「Dドライブ」とか呼んでいるもので、「ルームC」「ルームD」みたいに考えて良し。一つのPCの中には、「ルームC」しか無いワンルームのものもあれば、部屋が2つあるものもある。普通のノートPCは、ワンルームって事が多い。くらいに説明しておけばわかるだろうか。USBメモリなんてものをPCに挿せば、一時的に「ルームG」みたいな客間を増やすこともできる。
それは、どこかの部屋の中のどこかの箱の中にあります。 それがどこかを突き止めれば見つかります。 これ、当たり前の事だけど、これがわかってなくて闇雲に探すのと、これを知っていて探すのは大違い。何故って、知っているということは、「ルームC」の中の箱を一番大きいのから順に開けていけばいつかは見つかるとわかっているということだからです。極端な話、ルームCに行って、PCに、「ファイル〇〇を探せ!」って命令(F3キーを押してファイル名を入れてエンター)すれば、時間はかかるけど、絶対見つかる。一晩中、「ない・ない」と呪いながら頭を抱える必要はアリマセン。
フォルダーが階層化されている状態を見ると、全てが最終的に一つの根にまとまり、木が根から枝を広げるように見える事からフォルダツリーとも言われますが、幹が無いので、私には、木の枝の方では無くて地面の中の根っこの様に見えます。枝か根かはどうでも良いですが、大事なのは、一旦分かれたものが交わったりぐるぐるループしたりすることは絶対ないという事です。全部の枝をたどれば、それが全てなのです。
とは言っても、毎回ルームCの箱全部を探すのは大変ですよね。最初からどこの箱にあるかわかっていれば、探すのはとっても楽。 実は、ダウンロードされる箱は、たいてい決まっています。ブラウザによっては、変えることもできるのだけれど、変えられる人はわかっている人だと思うので心配いりませんね。
今はほとんどのブラウザが特に設定を変えない限り、「ダウンロード」というフォルダに保存するように作られています。 問題は、この「ダウンロード」というフォルダ。これが一体どこにあるのか、とってもわかりづらいということです。
今のPCは、1台のPCを複数のユーザが使いまわせるように作られています。その仕組みがログインという仕組みで、Aさんが自分のIDでログインした時と、Bさんが自分のIDでログインした時では、それぞれの個人資産(ファイル)が守られて、好みの設定がされた状態で、なおかつ、プログロムなどの一つあれば良いものは共有できるように調整されています。先日友人夫妻がうっかり「ドミトリールーム」を予約してしまい、部屋についてたまげてましたが、あんな状態ですね。1台のPCでは緩い感じでそれぞれのプライバシーが守られている状態で、大きな部屋の中に共用部分もあれば、カーテンで区切られた個人用の場所もある感じで、実は、「ダウンロード」フォルダという箱も、この個人用の空間にあります。
が、ダウンロードフォルダの正体です。たとえば私が、”hajime” というIDでPCにログインする場合、 c:\Users\hajime\Downloads が、ダウンロードフォルダです。
C:\Users\[ユーザID] が、個人用にカーテンで仕切られた場所(部屋の中の個人用の箱)というわけです。「ダウンロード」とか「ドキュメント」とか「お気に入り」とか「ピクチャ」とか、一見どこにあるのかよくわからないような箱は、たいていこの個人用のカーテンの中にあります。 理由は、Windows が、その場所をユーザに意識させたくないからです。PC上では実際には別々の場所にあっても、ログインした人から見れば、「ダウンロード」という箱に見えてほしいからですね。ドミトリーで言えば、「アメニティは部屋(カーテンで仕切られた空間)に入って右側の棚の上にあります」と説明する方が、「 アメニティは、佐藤さん用の部屋Aに入って右側の棚の上にあります 」とか 「 アメニティは、鈴木さん用の部屋Aに入って右側の棚の上にあります 」 とか、いちいち宿泊客の個人名で説明するより簡単でしょ?
ここで、「Users」はWindowsのエクスプローラーで見ると、「ユーザー」と表示されているとか、「Downloads」は「ダウンロード」と表示されているという罠がありますので、ご注意ください。これはこの方がわかり易いだろうと勝手に表示を変えてしまっているのです。 英語版のWindows ではそのままになっているのではないかと想像しています。日本語になっていたほうが馴染みやすいとは思いますが、混乱してしまいますね。
かというと、PCの中のCという部屋の、「ユーザー」という箱の中の、あなた専用の名前が付いた箱の中の、「ダウンロード」という箱の中に、お探しのものが見つかるはずです。
最近のWindows のエクスプローラーには、左側にツリーが出ている時に、「上の方にクイックアクセス」というのがあって、その中に「ダウンロード」もありますので、本当の場所を知らなくても辿り着けますが、それが表示されていない時など、自力で辿り着かなければならなくなった時に、本当の場所を知っていると楽だと思います。
それでは。